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燃料電池バスと可搬式電源で「電気を届ける」 トヨタ・ホンダが共同開発 

2020/9/1(火)

完成イメージ図(トヨタプレリリースより)

完成イメージ図(トヨタのプレリリースより)

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と株式会社本田技術研究所(以下、ホンダ)は、大容量水素を搭載する燃料電池バスと、可搬型外部給電器・可搬型バッテリーを組み合わせた移動式発電・給電システム「Moving e(ムービングイー)」を構築し、今月から実証実験を開始した。
近年、台風や豪雨などの災害により送電網がダメージを受け、家庭や避難所に電気が届かないという問題が発生している。この問題を解決するために、トヨタとHondaは共同で移動式発電・給電システムを構築した。移動式のシステムとなっているため、災害時には被災地で電力供給を行う一方、平常時にはイベントなど日常的な活用も可能だ。今回の実証実験を通じて、ニーズや使い勝手を検証する。

発電から給電まで一貫したプロセス(トヨタのプレリリースより)

発電から給電まで一貫したプロセス(トヨタのプレリリースより)



移動式発電・給電システム「Moving e」は、トヨタの燃料電池バス「CHARGING STATION(チャージングステーション)」と、ホンダの可搬型外部給電器「Power Exporter(パワーエクスポーター)9000」、可搬型バッテリー「LiB-AID(リベイド)E500」・「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」、モバイルパワーパックの充電・給電器「Honda Mobile Power Pack Charge & Supply Concept(チャージアンドサプライ コンセプト)」で構成され、「CHARGING STATION」にすべての機材を積み込んで必要な場所へ移動し、電気を供給する。

燃料電池バスを電源とし、可搬型外部給電器・可搬型バッテリーを用いてバスから電気を取り出し、電気製品に電気を供給する仕組みだ。

燃料電池を積み込んだ車内(トヨタのプレリリースより)

車内の様子(トヨタのプレリリースより)



「CHARGING STATION」は、従来型の「トヨタFCバス」をベースに、高圧水素タンクの本数を倍増させて水素搭載量を大幅に増やすことにより、高出力かつ大容量の発電能力(最高出力18kW、発電量454kWh)を備えている。

災害などによる停電時には「Power Exporter 9000」を介して、発電した電気を可搬型の大容量バッテリー「Honda Mobile Power Pack」や「LiB-AID E500」に貯めることで、避難所などの屋内や車内などで電気が使用できる。

なお、「CHARGING STATION」は車内に仮眠が取れるスペースを作っており、災害発生時には、休憩の場所としての活用も可能だ。

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