テイ・エステック 運転しながらエクササイズ?! 東京モーターショー2017
バイクや自動車のシートの開発に50年以上携わってきたテイ・エステック株式会社は運転しながらエクササイズができるエクサライドシートをブース内で披露した。
[LIGARE vol.36 (2017.11.30発行) より記事を再構成]
正しい姿勢とエクササイズで快適なドライブ
エクサライドシートには骨盤を効果的に動かしてインナーマッスルを刺激、体感運動を促すというエクササイズ機能の他、座る位置を快適なポジションに補正する機能や姿勢を理想の形状に促すよう自動調整してくれる機能がある。エクササイズ機能には、「ツイストモード」と「スイングモード」があり、「ツイストモード」は赤信号やアイドリングストップなどの停車時を想定されたモードで動作の大きい運動だ。高速道路などの安定走行時は運転に支障のない動作の小さい「スイングモード」に自動で切り替わる。運転を阻害しない小さな動きやハンドルの舵角を認識して乗員が安全な時だけ動くという。
体験!エクサライドシート
実際にドライブシミュレーターで体験してみた。座席に座ると体格をセンシングし、最適なドライビングポジションに自動で合わせてくれた。また、猫背気味か反り背気味かの姿勢情報を読み取って、腰痛への負荷を下げる形状にシートを調整してくれる。座り心地は快適だ。「スイングモード」はコーナーでハンドルを切るとシートの動きが遅くなったり、止まったりした。運動強度はレベル「2.5」で、他の運動でいうとストレッチに相当するという。運転に支障もなく、心地いい運動だった。「ツイストモード」では運動強度はレベル「3」でウォーキングに相当する動きを体験した。実際に、体がねじれるような大きな動きを感じた。もう少し出力の高い動きとなる運動強度レベル「3.5」はハムストリングスというももの裏側の筋肉に刺激を与えるという。シミュレーターの最後では、「47分間運転すると一日に必要な運動量を得られる」と診断された。
「座る」を追い求めたら・・・
広報課の武井泰親氏によると、エクサライドシートはさまざまな部署から若手社員を集めて「座る」を追い求めた研究をする「座ラボ」から生まれたという。「当初は超高齢化社会に活用できるシートを考えていたが、加齢によるサポートを受ける前に、運動不足を解消して鍛えておくことで、健康な体を保ち続けることができるのではということから始まった」(武井氏)。自動運転時代にはさらなる運動が可能となることが想定されているというエクサライドシート。クルマに乗りながら運動するという斬新なアイディアは超高齢化社会を救うのかーー。