日本ユニシス AIなどを活用して視覚障がい者のためのマップを構築 「ユーザー育成型デジタルインフラマップ」の実現に向けて
2019/12/6(金)
日本ユニシスは、AI/画像認識技術を活用して、スマホアプリで画像を撮影することで、さまざまなインフラ情報をデジタルマップ(電子地図)上に自動登録する仕組みを開発し、利用者が動画を撮影することで成長する「ユーザー育成型デジタルインフラマップ」実現に向けた取り組みを進めている。この取り組みの第一弾として、日本ユニシスは、筑波技術大学とスマートフォンを使って点字ブロックをデジタルマップ上に自動登録するシステムの共同研究契約を締結し、実証実験を2019年10月に実施した。
点字ブロックや消火器といったインフラ設備の敷設状況を電子データ化したものは、各自治体や有志によるボランティア活動により限定された範囲でしか作成されておらず、どこに何があるのかを統合的に調べることができないのが現状だ。そのような課題がある中で、日本ユニシスは AI/画像認識技術を活用して、スマホアプリで画像を撮影することで、さまざまなインフラ情報をデジタルマップ上に自動登録する仕組みを開発し、生活者が動画を投稿することで成長する「ユーザー育成型デジタルインフラマップ」の実現に向けた取り組みを進めている。この「ユーザー育成型デジタルインフラマップ」のコア技術については、現在特許出願中。
この取り組みの第一弾として、日本ユニシスは、筑波技術大学とスマートフォンを使って点字ブロックをデジタルマップ上に自動登録するシステムの共同研究契約を締結し、技術検証を進めてきた。
2019 年 10 月に実施した実証実験では、筑波技術大学の学生が、大学周辺の歩道をスマートフォンで撮影することで点字ブロックマップを作成し、高い精度で認識ができていることを確認できた。
対象物体の認識には日本ユニシスが長年に渡り培ってきた3Dデータ処理・深層学習などの技術を集約させた空間認識プラットフォーム「BRaVS Library」(※)を活用している。今後は点字ブロック以外にも、さまざまな物体の認識ができるように学習を行っていくことを検討していく予定だ。
※ 平面画像だけでなく、3D データや 4D データを扱うことができ、さらに対象物に関する付加情報(「地域」・「季節」・「時間帯」・「気温」・「音」など)を含めた深層学習により、総合判断が可能になる空間認識プラットフォーム。