WILLERと東北大学、カーボンニュートラル燃料オンデマンドバスを仙台市内で実証運行
2025/10/17(金)
WILLERと東北大学は、2025年11月8日から仙台市内でカーボンニュートラル燃料を使用したオンデマンドバスの実証運行を実施する。これまで東北大学キャンパス内で実施していた実証を学外に拡大するもので、仙台市の自動運転実証「青葉山グリーン回遊プロジェクト」と連携。環境に配慮した次世代モビリティの研究開発を加速させる。
今回の実証運行は、二つの異なるプロジェクトが連携することで実現した。
一つは、WILLERと東北大学が内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の一環として進めている「カーボンニュートラルモビリティシステムプロジェクト」だ。このプロジェクトでは、大学キャンパスを実証フィールドとし、カーボンニュートラル燃料を使用した学内オンデマンドバスの実証運行をしている。
もう一つは、仙台市と東北大学が共同で進める「青葉山グリーン回遊プロジェクト」である。こちらは、運転士不足などの交通課題に対応するため、自動運転バスの導入を検討するもので、青葉山エリアでレベル2(運転手同乗)の自動運転バスを運行している。
今回の連携実証では、WILLERと東北大学が運行するカーボンニュートラル燃料によるオンデマンドバスの運行エリアを学外に拡大。「青葉山グリーン回遊プロジェクト」が設定する停留所(仙臺緑彩館、国際センター駅、仙台城跡)と、東北大学片平キャンパスを結ぶルートを走行する。
運行期間は2025年11月9日から16日まで(一部運休日あり)、運行時間は9時から17時。運行車両は、カーボンニュートラル燃料を使用するワンボックスカーと、2種類の燃料を切り替えて使用できるバイフューエル車の計2〜3台を予定している。利用者は、WILLERが提供するMaaSアプリ「mobi」から無料で予約・乗車できる。
この実証の目的は、環境に配慮した次世代モビリティの社会受容性や、それによる移動利便性の向上といった可能性を広く検証することにある。大学関係者だけでなく、仙台市民や観光客など多くの人が利用することで、地域の活性化や、東北大学片平キャンパス内にある登録有形文化財への誘客効果も期待される。
WILLERと東北大学は、この実証で得られたデータを活用し、環境性能と利便性を両立させた次世代モビリティの研究開発をさらに進めていく考えだ。