ヤマト運輸、北海道占冠村で自家用有償旅客運送を活用した貨客混載を開始
2020/7/7(火)
ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)は、7月6日から北海道勇払郡占冠村(しむかっぷむら)の村営バスで乗客と宅急便を同時に輸送する客貨混載を開始した。今回の取り組みは、自家用有償旅客運送※を活用した村営バスによるもので、国土交通省 北海道運輸局から3月30日に物流総合効率化法の認定を受けている。なお、自家用有償旅客運送を活用した客貨混載事業は、北海道で初の認定となる。
※自家用有償旅客運送:過疎地域における地域住民等の輸送がバス・タクシー事業者によって提供されない場合に、市町村などが自家用車を用いて有償で運送できる制度。(引用:ヤマト運輸プレスリリースより)
■業務フロー
占冠村を担当するヤマト運輸のドライバーは同社の富良野支店を出発し、占冠村に到着後、午前の集配業務を行う。次に、富良野支店に到着した午後分の宅急便を、他のドライバーが富良野駅前のバス停留所まで輸送し、村営バスに積み込む。その後、村営バスが乗客と午後分の宅急便を、占冠村役場前バス停留所まで同時に輸送する。そして、占冠村の担当ドライバーが午後分の宅配物を村営バスから引き取り、配達を行う仕組み。
ヤマト運輸の発表によると、客貨混載を行うことで、占冠村には村営バスによる貨物輸送で新たな収入源の確保、ヤマト運輸にとってはドライバーの運転時間削減やトラックが排出するCO2を削減できるなどのメリットがあるいとしている。
■取り組みの背景
占冠村では、バス事業者による路線バスのサービス提供が困難なことから、住民の移動手段確保のため、自家用有償旅客運送を活用した村営バスを運行しているが、路線維持のための収益確保が課題となっていた。
一方ヤマト運輸は、午後分の貨物を占冠村に届けるため、富良野支店からトラックを往復2時間かけて占冠村まで走行させる必要があった。
両者の課題を解決するため、7月6日村営バスの車内スペースを活用し、乗客と宅急便を同時に輸送する「客貨混載」を開始した。なお、午後分に届ける貨物が、村営バスの積載スペース上限を超える場合は「客貨混載」を運行しない。