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ヤマト運輸、ドローンで処方薬などを輸送する実証実験開始

2021/11/26(金)

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ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)と岡山県和気町(以下、和気町)は、ドローンの経済的実現性を検証する実証実験を12月6日より開始する。11月25日付のプレスリリースで明かした。輸送するのは、地域の医療機関が必要としている医療商材や個人宅までの処方薬などだ。

高齢化、過疎化が進む地域では、医薬品流通ネットワークの維持が深刻な社会課題となりつつある。特に中山間部ではコロナ禍でオンライン診療が普及しても、患者が処方薬の受け取り手段を確保できないといった新たな課題も顕在化。新たな輸送モードを駆使した持続的な医薬品流通ネットワークの構築による社会課題の解決が求められている。

ヤマト運輸は、課題解決に向け持続的な医薬品輸送ネットワークの早期構築を目指している。ドローンは、その有効な輸送モードとして期待されており、2022年度には「レベル4」※飛行に対する許可・承認制度を新設する航空法の一部改正が予定されている。

※都市部をふくむ有人地帯において目視外飛行を補助者なしで飛行可能

和気町は、岡山県の東南部に位置し、吉備高原から連なる標高200~400mの山々に囲まれている。しかし、中心部を離れると高齢化による買い物難民や交通弱者の増加、老朽化したインフラ対策といったさまざまな地域課題に直面している。これらの地域課題を解決する手段のひとつとして、2018年から積極的にドローンを活用した実証実験を推進してきた。

ヤマト運輸と和気町は10月22日、「ドローン輸送に関する連携協定書」を締結した。今回の実証実験は、同協定に基づき、「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠して実施する。

具体的には、対象エリアに配達を行う医療用医薬品等の商品を、医薬品卸ティーエスアルフレッサ株式会社の物流拠点からヤマト運輸が集荷する。宅急便センターから医療機関までの納品、およびオンライン診療・服薬指導後の処方薬の患者宅までへの配送は、ガイドラインに準拠した業務手順書をもとに行う。

なお、ヤマト運輸は、2022年2月以降に第2フェーズとして、ドローンポートを使用せず個人宅へ離着陸する技術検証および、ドローン運航の内製化検証を予定している。また、都市部でもドローンの社会実装に向けた取り組みを進め、将来的には複数の温度帯における医薬品輸送や宅急便の配送など、ドローンの活用を広げていくことを目指す。

また、和気町は、町内における医薬品輸送ネットワークおよびオンライン診療体制の構築をヤマト運輸と一体で進める。これにより、持続的な医療提供体制の確保、安心して住み続けられるまちづくりを目指すと述べている。



(出典:ヤマト運輸 Webサイトより)

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