「乗合型移送サービスの実証実験」は、2018年に開始したプロジェクト。富岡エリアは急勾配な坂道が多く、バス停や鉄道駅へのアクセスが容易でない地域がある。これまでにも「路線定期運行」と「フリーエリア運行」に分けて実証実験を行うなど、今後の交通システムの検証を重ねてきた。

今年度の実証実験には新たに日産が参画。加えて、過去のプロジェクトで得た課題を検証し、サービス品質の改善をめざす。「より広範囲で利用したい」や「さまざまな場所から乗車したい」という要望を踏まえ、「対象エリアの拡大」と「手挙げによる路線上での自由乗降」を行う。

また、フリーエリア運行については、「地域の移動ニーズに合ったエリア設計が必要」、「前日予約が必要なので急な移動に使えない」という意見があった。この意見に対して、京急富岡駅・能見台駅や京急ストア能見台店などと接続し、地域の移動ニーズに合わせたエリア設計を行い、さらに、最短当日15分前（電話予約は最短当日60分前）まで配車予約を可能にするなど、サービス改善を行った。

今回の実証実験では、ホームページで利用登録を行うと誰でも利用できる。また、無償実験だけではなく、有償実験も計画している。無償実験は10～12月、有償実験は2021年1月中旬以降に実施する予定。なお、有償実証における運行ルート・エリアおよび乗降ポイント、運賃は、過去に実施した実証実験や、10月からの無償実証実験を踏まえて設定する方針だ。