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社用車は私用で使ってもOK? よくある私的利用のシーンと注意点

2024/8/20(火)

社用車には営業車や役員の送迎車、荷物の運搬車などさまざまな用途があります。業務時間外には遊休資産となってしまう面に着目し、早朝や夜間、休日などの業務時間外に私的利用を認める事例も見られるようになりました。

他方、会社の資産である社用車を仕事以外のプライベートでも利用する際は、ルール整備やリスク管理が重要です。これらに不備があると思わぬトラブルを招くかもしれません。

そこで、今回は社用車の私用に関する注意点をまとめました。解説にあたっては、就業規則や管理規程に詳しい社会保険労務士の児島敏郎氏に話を伺いました。

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社用車の私用に関する基礎知識

●社用車を私用で使うのはOK?

社用車の私用に関する法律上の規制や罰則はありません。ただし、各会社の就業規則や管理規程によって禁止されている場合があります。「法的に問題ないから自由に使える」わけではない点に注意しましょう。

また、従業員の福利厚生として夜間や休日の私用を認めているケースもあります。その場合でも、利用の際は事前に申請するのが一般的です。


●社用車を私用で使う主なシーン

社用車を私的に利用するシーンには、例えば以下のものがあります。

・外回りの移動中に、個人的な用事のために社用車でコンビニや銀行に立ち寄る
・社用車で直帰する際、スーパーやドラッグストアに立ち寄る
・社用車での通勤途中に、子どもを保育園に送迎する
・有給休暇中に、社用車で家族や友人と旅行、レジャーに出かける
・休日に買い物や引っ越しをする際、社用車で荷物を運ぶ

●会社が社用車の私用を禁止する場合の主な理由

社用車は会社の資産なので、業務目的で使用するのが前提です。そのため、事故・トラブルのリスクや職場の規律維持を重視して、全面的に禁止としている会社もあります。

万が一、社用車で事故を起こした場合、会社の信用を大きく損なうリスクがあるほか、保険の適用や責任の所在が複雑になり、会社と従業員の間でトラブルに発展するリスクも否定できません。
児島労務・法務事務所 社会保険労務士 児島敏郎氏

児島労務・法務事務所 社会保険労務士 児島敏郎氏


【専門家の解説】

児島氏:社用車の私的利用を認めるかどうかは、会社の裁量となります。無制限の利用を認めるのか、どこかで線引きをするのか、あるいは全面的に禁止するのか。会社ごとの状況や方針に応じた適切な判断が求められます。交通事故の発生リスクなどを念頭に置いて検討するといいでしょう。

仮に私用を認める立場から考えると、福利厚生面でのメリットが挙げられます。社用車を貸与されてマイカーのように使うことができ、例えば保育園の送迎などが認められているなら、すでに働いている従業員にも、求職中の人にとっても魅力的でしょう。社用車の私的利用は、人材の定着や採用に課題を抱える会社の人事戦略として活用できる可能性があります。


社用車を私用で使う際の注意点

社用車の私用を認める場合、注意しておきたいのが利用中の交通事故です。業務時間外であっても、状況によっては会社側の責任を問われる可能性があります。また、仮に従業員が無断で私的利用をしている場合であっても、管理体制によっては責任を問われかねません。社用車の私用を認める際は、事故などのトラブルが発生したときに、会社が負うリスクを考慮する必要があります。

【専門家の解説】

児島氏:社用車で事故を起こしたとき、会社が責任を負うべきか判断する根拠として、「使用者責任」と「運行供用者責任」というものがあります。

「使用者責任」は民法第715条に定められていて、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」とあります。つまり、会社が事業を行う上で被用者(従業員)が故意または過失によって第三者に損害を与えたら、使用者(会社)に損害賠償責任がかかってくるということです。ちなみに、人身事故と物損事故、いずれの場合にも適用されます。

もう一つの「運行供用者責任」は、自動車損害賠償保障法(自賠法)第3条が根拠です。条文の冒頭には「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命または身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」とあります。こちらは使用者責任とは異なり、人身事故の場合にのみ適用されます。



児島氏:社用車の私用時に事故を起こした場合、ここで指す「運行供用者責任」つまり会社の運行支配がどの程度およんでいたかがポイントです。根拠法である自賠法は被害者救済を重視している面があるため、判例では運行支配の範囲が広義に解釈され、会社側が責任を負うケースが多く見られます。

就業規則や管理規程で社用車の私用を全面的に禁止していたら、その最中に事故を起こしても、会社に賠償責任は生じず運転者に賠償金を請求される可能性もあります。ただし最終的には個別の状況に応じて総合的に判断され、前述した「使用者責任」や「運行供用者責任」を根拠に、会社側にその責任を担わせるとされた判例が数多く存在するのが実情です。

社用車を私用で使う際のよくある質問

会社が社用車の私用を認める際、考慮すべき項目は多々あります。そこで、ここからはよくある質問・相談に対する児島氏の解説をお届けします。

●私用で社用車を使うときの保険はどうなる?

児島氏:社用車を私的に使用している最中に起きた事故に対して、会社の任意保険を適用させない方針なら、就業規則や社内規程の文言に盛り込んでおく必要があります。ただし、会社の使用者責任や運行供用者責任が認められた場合は、会社の任意保険を適用することになるでしょう。

●私用で社用車を使うときのガソリン代はどうすれば良い?


児島氏:業務中の使用で発生するガソリン代は経費計上されるのが通常です。それとは別に、私的利用におけるルールを定めておいた方がいいでしょう。走った距離から概算した金額分を給油したり、レンタカーのように使用後に満タンまで給油したりと、実際の運用ルールは会社ごとの裁量となります。

業務利用と私用を区別する場合、例えば「法人名義で契約しているガソリンスタンドは、私用では使わない」など線引きしておく方法があります。また、社用車での通勤や直行直帰を認める場合、それ以外の公共交通などの交通費と区別しておくことも必要です。

福利厚生の一環とするなら、ガソリン代や駐車場代などの費用を会社が負担するのも一つの考え方でしょう。ちなみに、社用車は自家用車とは違い会社の所有物ですから、メンテナンスの費用は会社が負担するのが一般的な考え方です。

●黙って社用車を私的利用したら会社に発覚する?

児島氏:管理体制によりますが、多くの会社は運転日報を通じて社用車の走行距離を管理しています。昨今では位置情報を管理しているケースも増えました。これらの情報を通じて、無断使用が発覚する可能性は高いでしょう。悪質なケースは懲戒処分の対象となることもあります。

社用車の私用を認める会社が行うべきこと

●就業規則を整備する

児島氏:社用車の私用を認める場合、就業規則の中でルールを決めておきましょう。ただし、自動車に関する法律が改正されると規則の改定が必要になるので、本則に盛り込むよりも、別途「車両管理規程」を策定するのがおすすめです。

●従業員管理など、実際の運用方法を決める

児島氏:社用車を現場で運用する際、運転者名簿(運転者台帳)を管理している会社は多いでしょう。私的利用における事故リスクに備えるなら、名簿の作成とあわせて「個人で社用車を運転した場合、運転者個人が責任を負う」といった趣旨を明記した誓約書の作成もおすすめしています。そのほか「過去数年以内に事故・違反歴があれば私的利用は認めない」とするのも一つの方法です。

●自動車保険の内容を確認する

児島氏:運転者を管理する上で見落としやすいのが、自動車保険の適用年齢です。(保険契約がノンフリート契約の場合)自動車保険における年齢条件は、21歳以上・26歳以上など年齢ごとに分かれています。例えば、もともと大卒以上の人材を採用していた会社が高卒も採用しはじめた場合、保険の適用年齢から外れている場合があります。

業務利用・私的利用のいずれの場合にも言えることですが、年齢条件を見直さないまま事故を起こすと、保険が適用されない事態につながるので注意しましょう。

●緊急時に備えたマニュアルを準備する

児島氏:社用車で事故やトラブル、災害に巻き込まれた場合の対応を事前に定めておくと安全です。盗難被害に遭うことも考えられるので、ケースごとの対応を盛り込んでおくといいでしょう。

児島労務・法務事務所 社会保険労務士 児島敏郎氏_インタビューの様子

社用車の私用時にはアルコールチェックも確実に

社用車を私用で運転する場合、夜間や休日などプライベートな場面での利用が想定できます。一方、2023年12月にアルコール検知器を使ったチェックなどが義務化されたように、社用車の管理はこれまでよりも厳重な取り組みが求められています。この問題に対してはどう対応すればいいでしょうか? 最後に児島氏に伺いました。

児島氏:業務利用における社用車の管理は徹底できていても、業務時間外までは行き届かないケースも出てくるでしょう。アルコールチェックに関しても同様で、業務中であれば基準値を超えた従業員は運転させないよう対処できても、特に休日などの私的利用の場合にはチェックが及ばないことも考えられます。

そうした問題を踏まえると、デジタルで管理して証拠を残すことが効果的です。クラウドサービスなどを活用してアルコールチェックの実施結果を確実に記録し、「問題なければ私用で運転してもよい」といったルールを作っておくといいでしょう。

▼デンソーテンの通信型ドライブレコーダー「Offseg(オフセグ)」の強み

offsegイメージ画像
POINT1: トラブルをふせぐ
メインユニットと通信ユニットを分離して名刺サイズに小型化された本体は、運転席からの視界もしっかり確保。さらに、標準設定のカメラは、フルHDで200万画素、2カメラ一体型で約360°の撮影が可能で、高画質に広範囲を録画できます。さらに後方をしっかりカバーしたい場合は、オプション設定でリアカメラの取り付けも可能です。

POINT2: 事故をふせぐ
人的事故要因の約7割を占める、安全不確認や前方不注意など主要な12シーンをAIが自動で検出し、管理者や運転者に警告、通知することができます。さらに、信号無視や車間距離不足といった6シーンは、リアルタイムに警告することも可能です。

POINT3: ムダをふせぐ
Offsegは、安全運転管理、車両管理の効率的な運用にも貢献できます。個々のドライバーの運転行動を評価する「安全運転診断」や、「運転日報・月報の自動作成」など、日々の業務をサポートする機能を多数取りそろえています。

【NEW】他社システムと連携して、アルコールチェック義務化にも対応!
2023年12月、アルコール検知器によるチェックの記録と保存が義務化されました。この法改正を受けて、Offsegはパイ・アール製の「アルキラーNEX」とアネストシステム製「BSS for ALC」との連携を開始。

他社アルコール検知システムとの連携によって、ドライバーがアルコールチェックを行うと、アルコール検知システムを提供する各社のクラウドへ測定結果がアップロードされます。その後、Offsegのクラウドと連携し、Offsegの日報・月報に測定結果を表示する仕組みです。

安全運転管理者はOffsegの管理画面上でドライバーごとの運行記録とアルコール検知結果を同時に確認でき、管理業務の効率化へとつながります。ぜひご活用ください!

デンソーテンの通信型ドライブレコーダーを紹介するWebサイトでは、当記事のほかにも日々の運転業務に役立つ情報の発信や、実際に通信型ドライブレコーダーを導入している企業の事例紹介なども行っています。ぜひこの機会に会員登録(無料)をしてご覧ください。

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