車の運転と視力の関係│免許に必要な視力と眼精疲労の対処法
2023/10/13(金)
日々の忙しい業務に追われていると、自分の体のケアまで手が回らないドライバーも多いはず。そんな中でも気を使いたいのが「目の健康」です。自分の目をおろそかにすると、運転免許の取得や更新に関わるだけでなく、一瞬の運転ミスにもつながりかねません。
そこで本記事では、「地域医療でも尚、最先端であること」を掲げる医新会グループのレイクリニック(兵庫県神戸市)で主任執刀医を務める吉田達彌氏に、運転と視力の関係や誰でもできる目のメンテナンス方法を伺いました。
そこで本記事では、「地域医療でも尚、最先端であること」を掲げる医新会グループのレイクリニック(兵庫県神戸市)で主任執刀医を務める吉田達彌氏に、運転と視力の関係や誰でもできる目のメンテナンス方法を伺いました。
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運転免許の取得・更新に必要な視力
運転免許の取得や更新には、一定以上の視力が必要です。視力の基準は免許の種類に応じて異なりますので、まずはそれぞれの免許で必要となる視力を整理します。なお、下記に掲げる視力は、いずれの場合でも眼鏡などによる矯正視力でクリアすればOKです。●普通自動車第一種免許(普通自動車免許)・二輪免許(普通・大型)・大型特殊免許・中型免許(8トン限定)・準中型免許(5トン限定)に必要な視力
・左右それぞれの視力が0.3以上で、両目の視力が0.7以上。・片方の視力が0.3に達しない場合、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が150度以上。
●原動機付自転車免許(原付免許)・小型特殊免許に必要な視力
・左右それぞれの視力が0.1以上で、両眼の視力が0.5以上。・片方の視力が0.1に達しない場合、よく見える方の視力が0.5以上かつ視野が150度以上。
●大型自動車第一種免許(大型免許)・中型免許(限定なし)・準中型免許(限定なし)・けん引免許・普通自動車第二種免許に必要な視力
<視力>・左右それぞれの視力が0.5以上で、両眼の視力が0.8以上。
・左右いずれかの視力が0.5以下の場合、免許の取得・更新は不可。
<深視力>
・三棹法(さんかんほう)の奥行知覚器によって2.5メートルの距離で3回測定し、平均誤差が2センチ以内。
【専門家の解説】
吉田氏:普通免許などで必要となる視力の「両目で0.7」とは、大まかな目安だと、学校の教室の後ろから黒板の文字を読めるくらいの視力に相当します。ですから、運転における最低限の視力も、おおよそ日常生活に支障のない視力で設定されていると考えられます。運転免許の取得・更新時に行う視力検査の内容
運転免許に必要な視力を計測する方法は、基本的に学校や職場の健康診断、眼鏡店などで受けた視力検査と同じ方法です。ただし、大型免許などの場合は、遠近感を測定する深視力検査が加わります。●ランドルト環検査
視力の測定には、「ランドルト環検査」が広く用いられています。アルファベットの“C”のような円のマークを見て、円が欠けている方向を答えるものです。●深視力検査
深視力とは、遠近感や立体感、奥行きなどを把握する能力を指します。特別な器具を使い、三棹法※という方法で測定します。大型・中型(限定なし)・準中型(限定なし)・けん引・第二種の免許を取得・更新する人が対象です。※器具内には3本の棒が立っており、前後に移動する真ん中の棒と、両脇にある2本の棒の位置関係を正しく認識できるか検査する。
●色彩識別能力検査
赤・黄・青の3色を識別する検査方法です。更新手続きの際には行われず、免許取得時のみ検査します。【専門家の解説】
吉田氏:ランドルト環検査を受ける際は、「目を細めないで見える視力」を計測するのが理想です。凝視しようとして目を細めてしまう人がいるかもしれませんが、なるべく自然な状態で測定するように注意しましょう。運転免許の取得・更新時の視力検査における注意点
●眼鏡やコンタクトレンズなどを装着して検査した場合
前述の説明のように、運転免許の取得や更新に必要な視力は、眼鏡やコンタクトレンズなどで視力矯正した状態でクリアすれば問題ありません。ただし、その場合は免許証の限定条件に「眼鏡等」と表記されます。免許の条件については道路交通法第91条で規定されています。なお、免許条件違反の違反点数は、2点(酒気帯びの場合はさらに増加)、反則金は普通免許の場合は7,000円となります※。
※参照:警視庁「交通違反の点数一覧表」および「反則行為の種別及び反則金一覧表」
●レーシック手術などで視力が回復した場合
レーシック手術などで、免許の取得・更新を行った時点よりも視力が回復するケースがあります。ただし、免許条件に「眼鏡等」の記載があり、着用せずに裸眼で運転すれば違反になるおそれがあります。この免許条件を取り消す「限定解除(条件解除)」の手続きは、管轄の運転免許試験場や警察署で行うことができます。場所によって申請を受け付けてくれる曜日や時間帯は異なりますから、持参物などの基本的な情報も含めて、事前にチェックしておきましょう。
【専門家の解説】
吉田氏:視力は、加齢とともにさまざまな要因で変動します。免許の更新間近に「最近見づらくて免許更新できるか不安」と慌てて受診する方も多く、実際に調べてみると多くの場合で白内障が原因の視力低下をきたしています。普通免許の場合、深視力の検査はありませんが、白内障などによって片目の視力が落ちると立体視が困難になりますので、車の運転に支障が出るおそれもあります。自分の視力に不安がある人は、早めの受診を心がけましょう。
昨今では、日帰りで白内障手術を受けられるクリニックや病院もありますが、初診ですぐ手術を受けられるわけではないので注意が必要です。事前の検査や混雑状況なども考慮して、更新日の数カ月前には受診しておくことをおすすめします。
視力検査の合格や、事故防止にもつながる目のメンテナンス方法
視力は加齢以外にも体調などさまざまな要因で変わるもので、実は一日の生活の中でも変化しています。それだけに、視力検査の前にはなるべく目を酷使しないように心がけましょう。また、普段の運転時に一瞬の運転ミスを防ぐため、目の健康を保つことは大切なポイントです。ここからは、日々簡単に取り組めるケアの方法や、目に疲れをためない方法について、吉田氏に紹介していただきます。
●ドライアイ対策のポイントは「潤いと温めること」
吉田氏:一日の中で視力が悪化する要因として、もっとも大きなものは「ドライアイ」です。症状は人によってさまざまですが、目の表面を覆う涙液が乾き、傷がつくことで、視力に大きく影響する場合があります。ドライアイの原因として、パソコンやスマホなどのデジタル機器を長時間使用することが挙げられます。これらの使用中はまばたきの回数が減ることが多く、目の表面を覆っている涙が乾きやすくなります。同じように、車の運転中にまばたきを忘れてしまう人も多いですから注意しましょう。意識的にまばたきを行って、目の表面を涙液で覆わせることが大切です。
休憩の時に目を閉じるのと併せて、目を温める方法も効果的です。市販のホットアイマスクやホットタオルなどを利用しましょう。目を温めることは眼精疲労にも効果的ですので、ぜひ実践してみましょう。
あくまで眼科医の立場としての意見ですが、最近のドライブレコーダーはインカメラでドライバーの映像も撮影しているようですから、「まばたきの回数が極端に少ない」などの傾向をフィードバックできれば、ドライアイの早期発見につながるように思います。
また、ドライアイでは、目の痛みや乾燥感、視力低下だけでなく、コントラストの低下や、夜間・薄暮時に街灯や対向車のヘッドライトがにじんだり、ぼやけて見えたりすることがあります。夜間や悪天候、トンネルの出入り口などは特に注意が必要で、そういった場合にドライブレコーダーからドライバーへ注意喚起できればより安全でしょうね。
●目に疲れをためない方法「20-20-20」ルールとは?
吉田氏:目の疲れを蓄積させない方法として、「20-20-20」ルールがあります。これは米国眼科学会議が推奨するもので、20分間連続してデジタル端末の画面を見たら、20フィート(約6m)離れたところを、20秒間ながめる方法のことです。日本眼科医会ではこれをもとにして、子ども向けに「30分に1回は、20秒以上、遠くを見て目を休める」方法を提唱しています※。いずれの場合も、意識的に目を酷使する時間を減らす目的で行うもので、眼精疲労の予防になったり、子どもであれば近視の悪化を防いだり、といったことにつながります。よく「遠くの緑を見なさい」と聞いたことがあるかもしれませんが、遠くを見る対象物は緑のもの(山や森林)でなくても大丈夫です。自分が見やすい目標で問題ありません。
これらは昨今のデジタル社会を踏まえての提言ですが、運転中のドライアイ、眼精疲労を防ぐために、運転中はまばたきを意識する。こまめに休憩をはさむ。そして休憩中には、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスを避け、しっかりと目を休め、温めましょう。
※参考:日本眼科医会「子どもの目・啓発コンテンツについて」
目の健康を保つために大切なことは?
社用車の事故を防いだり、安心安全なカーライフを送ったりするためには、目の健康は欠かせないポイントです。最後に、吉田氏に定期検査の重要性を教えていただきました。●健康診断などの活用で早めの対処を!
吉田氏:正常な視力を維持するためには、やはり定期的に目の検査を受けることが大切です。また、50歳を超えると、白内障や緑内障といった目の病気にかかるリスクが高まりますから、なるべく1年に1度は視力検査と眼底検査※を受けることをおすすめします。会社で受ける健康診断でこれらの検査は基本的に行われると思いますから、まずはそれを活用するといいでしょう。もし、そこで異常や病気の疑いがあれば、ぜひ早めに眼科の診察を受けてください。
※眼底検査:目の奥にある血管、網膜、視神経などの状態を確認する検査。
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