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安全運転を行うには?事故を起こさないための対策と意識向上の方法

2024/3/21(木)

安全運転を徹底する最大の目的は、交通事故の防止。そのためには、交通事故の原因や起こり得る損害などを知り、日々の運転行動へと落とし込むことが大切です。

そこで今回は、安全運転の基礎知識や具体的な方法についてまとめました。自身の運転行動を見直したり、安全運転管理者が従業員に指導を行う際の参考にしたりなど、個々のニーズに応じて活用してください。

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安全運転についての基礎知識

●そもそも安全運転とは?

「安全運転」は、「交通事故を起こさないように注意した運転」だと言い換えることができます。無数のリスクが潜む道路交通の現場で事故を防ぐには、道路交通法をはじめとした法律や交通ルールを守り、周囲の車や自転車、歩行者などに気を配りながら運転することが大切です。

全日本交通安全協会によると、「交通事故の防止は、国民一人ひとりが交通道徳を高め、交通のルールを正しく守って、交通事故を防止しようという自覚と実践が伴わなければ、その目的を達成することはできません」とあります。

「実践」の言葉からわかるように、法律知識の把握やルールの遵守、周囲への配慮に加えて、具体的な運転行動にまで落とし込むことが重要です。



●交通事故の現状と安全運転の関係

警察庁の事故統計によると、2022年に全国で発生した交通事故の重傷者数は26,027人、死亡者数は2,610人です。政府や関係省庁の掲げる「交通事故死ゼロ」までは道半ばですが、死亡者数は年々減少を続けています。

一方、2022年の死亡事故を原因別に見てみると、実に半数以上(52.3%)を「安全運転義務違反」が占めています。この「安全運転義務違反」は、以下の7つに大別できます。

前方不注意
前方不注意はさらに「漫然運転」と「脇見運転」に分類されます。
(例)漫然運転:考え事や疲労など、思考が原因で起こる前方不注意
   脇見運転:車外の広告や携帯電話の着信など、外部要因により起こる前方不注意
※運転中に携帯電話を保持して通話したり画面を注視したりする「ながらスマホ」は、別途違反の対象となる。(参照:政府広報オンライン「やめよう!運転中の『ながらスマホ』違反すると一発免停も!」

運転操作不適
(例)アクセル・ブレーキの踏み間違いやハンドルの誤操作など、運転操作上のミス。

動静不注視
(例)「歩行者は道路を横断してこないだろう」や「対向車が止まってくれるだろう」と考え、事故へとつながる要因を自覚していながら誤った行動をとること。

安全不確認
(例)前後左右の安全確認を行わず、歩行者や車両に気付かないこと。

安全速度違反
(例)制限速度内で走行していたが、徐行が必要な状況で徐行しなかった場合。

その他
上記のいずれにも該当しないもの。

なお、安全運転義務は道路交通法第70条に定められており、法令違反をした場合は違反点数2点と9,000円の反則金(普通自動車の場合)が科されます。



●安全運転を行うべき理由

前述したように、安全運転を行う大きな目的は「交通事故の防止」です。ひとたび交通事故が起こるとさまざまな損害を負う可能性がありますが、そのリスクを防ぐことにもつながります。

まず、相手方や運転者本人が負傷したり、最悪の場合は命を落としたりする人的損害のリスクがあります。これに関連して、治療費や慰謝料、車両の修理費や保険料のアップといった経済的な損害が発生することもあり得ます。

さらに、企業が所有する社用車で事故を起こした場合、上記のような直接的な損害が発生するだけでなく、企業イメージの低下や社会的な信用の失墜など、間接的な損害が発生する場合もあるでしょう。

そのほかに、事故が発生すると交通渋滞を引き起こす可能性もあるため、事故の当事者ではない人たちの暮らしにも大きく影響し得るのが交通事故だと言えます。



安全運転のために行うべきこと

ここまでは、安全運転の考え方や事故要因、発生し得るリスクについて触れました。ここからは、安全運転のために行う取り組みや注意すべきポイントを紹介します。

●「安全運転5則」を守る

交通事故の防止を徹底するために、警察庁が定めた「安全運転5則」という原則があります。この原則はドライバーへの注意喚起に利用されるほか、企業が労働災害防止を推進する活動の一環で設定する交通標語(スローガン)の参考にされることもあります。ここに挙がっている基本的な項目がなぜ大切なのか、それぞれ解説していきます。

<安全運転5則>
1. 安全速度を必ず守る
2. カーブの手前でスピードを落とす
3. 交差点では必ず安全を確かめる
4. 一時停止で横断歩行者の安全を守る
5. 飲酒運転は絶対にしない




1.安全速度を必ず守る
「安全速度」とは、道路状況に応じて安全に運転できる速度を指します。法定速度や制限速度とは必ずしも一致しない点は注意が必要です。見通しの悪い道路や通学路付近を走行するときや、悪天候で走行するときなど、状況に応じて安全速度は変わります。やや抽象的な表現ですが、「不測の事態でもすぐに停止できる」速度が安全速度だと言えます。

2.カーブの手前でスピードを落とす
自動車がカーブを回ろうとすると遠心力が働き、速度を出し過ぎていると曲がり切れなくなるリスクが高まります。カーブの手前ではブレーキを踏んで減速することを心がけましょう。なお、車両の重心の位置が高くなったり偏ったりすることで転倒リスクが高まりますから、荷物の積み方にも注意を払うことが大切です。

3.交差点では必ず安全を確かめる
交差点には多くの死角があるだけでなく、右左折時の対向車や自転車、歩行者など、注意を払うポイントが多数あります。また、信号がなく見通しが悪い交差点では、出会い頭の事故が起こりやすいため注意が必要です。

4.一時停止で横断歩行者の安全を守る
横断歩道がある所では、明らかに歩行者がいない場合を除いて、横断歩道の手前で停止できる速度で走行しなければならず、横断歩行者の通行を妨害してはいけないこともおさらいしておきましょう。

5.飲酒運転は絶対にしない
飲酒運転を行った運転者には、交通事故を起こしていない場合でも厳しい行政処分・罰則が科されます。「酒酔い運転」の場合は、基礎点数 35点、免許取り消し、欠格期間3年。「酒気帯び運転」かつ呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上の場合は、基礎点数 25点、免許取り消し、欠格期間2年となっています。車両を提供した者や酒類を提供した者、同乗者にも罰則が課される点も注意が必要です。

なお2023年12月1日から、安全運転管理者を設置する事業者を対象に「アルコール検知器を用いた酒気帯び・酒酔いの有無等」の確認実施と記録が義務付けられるようになりました。
※安全運転管理者の設置は、企業が保有する車両の台数に応じて義務付けられている。「乗車定員が11人以上の自動車1台」か「その他の乗用車5台以上」(50cc以上の二輪車は1台を0.5台で計算)を有する事業所ごとに、使用者(企業)は安全運転管理者等の選任や公安委員会への届出が必要。

●「高速道路安全運転5則」を守る

高速道路を運転する際にも、「高速道路安全運転5則(高速運転安全5則)」と呼ばれる原則が定められています。一般道路よりもスピードが出た状態で運転するため、その状況に応じた運転を心がけましょう。

<高速道路安全運転5則>
1.安全速度を守る
2.十分な車間距離をとる
3.割り込みをしない
4.脇見運転をしない
5.路肩走行をしない


1.安全速度を守る
高速道路では、天候や路面状況によって臨時の速度規制が行われることがあります。規制に合わせた安全な速度で走行しましょう。

2.十分な車間距離をとる
前方車両との車間距離を十分に確保できていないと、とっさに急ブレーキを踏んだ場合でも追突事故につながるおそれがあります。乾いた路面を新しいタイヤで走行する場合、時速100kmなら100m、時速80kmなら80mの車間距離が必要です。なお、ぬれた路面やすり減ったタイヤで走行する場合は、これらの2倍程度の距離を保持する必要があります。

3.割り込みをしない
いかなる道路状況でも、「急な割り込み」が危険な運転行動であることはイメージしやすいでしょう。急な割り込みを行うことであおり運転などのトラブルに発展する可能性があるほか、特に高速道路の場合は、お互いに速度が出ていることが多いため重大事故につながるリスクが高まります。ミラーなどを活用して、後方や隣接車線にいる車両との位置関係を常に意識しましょう。

4.脇見運転をしない
前述したように、死亡事故の原因は脇見運転を含む前方不注意が多くを占めます。時速100kmは秒速に換算すると27.78m。つまり、一秒脇見をしている間に約30m進んでいる計算になり、ほんの少しの不注意が思わぬ大事故を起こす可能性があります。

5.路肩走行をしない
たとえ渋滞時であっても路肩の走行は厳禁です。救急車やパトカーなどの緊急車両の走行を妨げないように、路肩は常に空けておきましょう。

●運転の姿勢を整える

見落とされがちですが、実は「正しい運転姿勢で運転すること」も安全運転につながります。正しい姿勢がとれていることで、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作がしやすく、運転中の広い視野を確保できるためです。重要なのは背中と腰、ひじ、足、そして頭の位置。それぞれ以下のポイントを参照してください。

▼ポイント1:シートの前後を調整
フットペダルを踏みやすいようにシートスライドを調節する。左足はフットレストに置く。
▼ポイント2:シートと腰・背中のすき間をチェック
背中と腰全体をシートに預けられるように、座る場所や背もたれを調整する。
▼ポイント3:ひじの角度を確認
ひじの角度は直角よりもやや伸ばすくらいで、適度に曲げている状態に。
▼ポイント4:ヘッドレストを正しい位置に
ヘッドレストに後頭部を預けられる高さに調節する。耳の位置がヘッドレストの真ん中にくる高さが目安。
▼ポイント5:シートベルトの正しい装着方法
腰ベルトは骨盤に巻くイメージで。肩ベルトは首にかからないようにする。ベルトのねじれやたるみがないか確認し、必要に応じてシートベルトの高さを調整する。
正しい運転姿勢の例(撮影協力:寝屋川自動車教習所)

正しい運転姿勢の例(撮影協力:寝屋川自動車教習所)


安全運転の意識を高める方法

運転免許を取得してから月日が経ち運転に慣れてしまうと、安全運転への意識は薄れてしまいがちです。改めて安全運転への意識を高め、具体的な運転行動の改善につなげるには、例えば次のような方法があります。

●安全運転講習会を受ける

「安全運転講習」とは、運転の正しい知識や技能、安全運転の重要性などを学ぶトレーニングです。自動車教習所や企業向け研修サービスを提供する事業者のほか、交通安全協会や日本自動車連盟(JAF)などの団体でも実施しています。

新入社員向け、一般社員向け、事故惹起者(交通事故を起こした経験がある人)向け、高齢ドライバー向けなどの形式で分けて実施することも多く、運転歴や事故歴の有無、技能の度合いに応じたトレーニングが可能です。講習の中に運転適性検査が組み込まれているケースもあります。運転初心者や苦手意識が強い人は、ペーパードライバー講習を受けるのも対策の一つです。


●ドライブレコーダーを導入する

映像を使って運転行動を振り返る方法も効果的です。ドライブレコーダーの録画映像を使えば、簡単に自分の運転を振り返ることができます。さらに、「ドライブレコーダーに録画されている」と意識することで、注意を払った運転につながる効果も期待できます。

また、企業の社用車などで利用されている通信型ドライブレコーダーであれば、車間距離や速度超過、一時不停止など、ドライバーのさまざまな運転行動を見える化できる機種もあります。可視化した運転データを活用すれば、ドライバーごとの特徴を踏まえた運転行動の改善につなげられます。社用車を運転する従業員を対象とした交通安全教育を行う際に使用する事例もあります。

安全運転への意識をなるべく高く維持するために

ここまで解説した交通事故のリスクや要因、具体的な実践項目は、いずれも運転免許の取得時に自動車教習所などで学習するものです。ただ、当たり前のことだと理解していても、「目的地に急がねば」といった状況によっておろそかになってしまう可能性は常にあり得ます。

今回解説した安全運転にまつわるポイントを改めて整理して、日々の事故防止へとぜひ活用してください。

▼デンソーテンの通信型ドライブレコーダー「Offseg(オフセグ)」の強み

offsegイメージ画像
POINT1: トラブルをふせぐ
メインユニットと通信ユニットを分離して名刺サイズに小型化された本体は、運転席からの視界もしっかり確保。さらに、標準設定のカメラは、フルHDで200万画素、2カメラ一体型で約360°の撮影が可能で、高画質に広範囲を録画できます。さらに後方をしっかりカバーしたい場合は、オプション設定でリアカメラの取り付けも可能です。

POINT2: 事故をふせぐ
人的事故要因の約7割を占める、安全不確認や前方不注意など主要な12シーンをAIが自動で検出し、管理者や運転者に警告、通知することができます。さらに、信号無視や車間距離不足といった6シーンは、リアルタイムに警告することも可能です。

POINT3: ムダをふせぐ
Offsegは、安全運転管理、車両管理の効率的な運用にも貢献できます。個々のドライバーの運転行動を評価する「安全運転診断」や、「運転日報・月報の自動作成」など、日々の業務をサポートする機能を多数取りそろえています。

デンソーテンの通信型ドライブレコーダーを紹介するWebサイトでは、当記事のほかにも日々の運転業務に役立つ情報の発信や、実際に通信型ドライブレコーダーを導入している企業の事例紹介なども行っています。ぜひこの機会に会員登録(無料)をしてご覧ください。

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