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デンソー新社長に林氏 電動化、SDVに対応 有馬社長は会長CEOに

2023/4/11(火)

会見する林氏(右)と有馬氏(左)

会見する林氏(右)と有馬氏(左)

株式会社デンソー(以下、デンソー)は4月10日、林新之助経営役員が代表取締役社長 COOに就任する人事を発表した。有馬浩二社長 CEOは代表取締役会長 CEOに就く。社長交代は8年ぶり。ソフトウェア、エレクトロニクスをよく知る林氏への社長交代で自動車業界の変化に対応する。
有馬社長は会見で、林氏についてメンバーの強みを引き出すリーダーシップを持ち、CASE時代に求められる成長戦略や人材の育成に携わるなど、組織の力を最大化する新社長にふさわしいと判断したと説明。品質・財務基盤の強化や環境戦略を8年間進めてきた結果、経営の土台が整い、新たな価値を創造できる林氏への交代を決めたという。

林氏は「新たな価値を創造し続け、変化の時代を力強く生き抜く会社に進化させることが使命と考えている」とした。また、CASE進展でクルマにおけるソフトウェアの価値が高まる中、取引先や他業界と関わりモビリティの価値向上に努めるとし、モビリティ領域以外の新たな事業開拓にも果敢に挑戦すると抱負を述べた。

経営課題について林氏は、電動化とSDV化に代表される自動車業界の変化への対応が第一とした。ハードウェアからソフトウェアへという流れに対してデンソーの事業ポートフォリオを転換し、エンジニアの技術の学び直し(リカレント)も進めていく。

一方でデンソーが早くから製造してきたインバーターや車載ソフトウェアは世界規模で見ても強みとした。OEMメーカーや取引先、他業界と意見交換し、連携しながら変化に対応する考えを示した。

また、2035年の「幸福循環社会」実現に向けた企業活動を通じた社会貢献も課題とした。デンソーで働く人々と社会をつなぎ合わせ、「近寄りやすい社長」として幸福循環の実現を図る。

林氏は1986年3月、早大理工学部を卒業後、当時の日本電装株式会社(現デンソー)入社。2010年1月電子技術3部 部長、15年常務役員、20年Chief Software Officer(CSwO)などを経て21年に経営役員に就任。22年よりCSwO、モビリティエレクトロニクス事業グループ長を務める。64年1月15日生まれ。

なお、デンソーは松井靖取締役・経営役員が代表取締役副社長となる人事も10日に発表した。有馬氏、林氏、松井氏は6月に開催する定時株主総会、取締役会を経て新しい役職に就任する予定。

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