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英Arm、自動運転対応プロセッサの最新版「Arm Cortex-A65AE」を発表 車載用に特化

2018/12/21(金)


より高水準の自動運転を実現するため、カメラ、LiDAR、レーダーなど、自動車の周囲を監視するセンサーの数が大幅に増加することで、こうしたデータを安全に処理するためのスループットと演算リソースの要件も大幅に拡大することが見込まれる。複数センサーの入力情報を活用することで、自動車は周囲の環境を把握し、現状を認識しつつ、想定される進路を計画し、決定した進路をアクチュエータに命令することが可能となった。

自動車のさまざまなポイントで膨大なデータが収集されることから、ADASや自動運転の用途の実現に必要となるヘテロジニアスな各種処理では、高いデータスループット能力が重要な要素となる。さらに、もう1つの重要な要素として、こうしたシステムの核となるのが安全性だ。Cortex-A65AEは、センサー・データ収集時の高スループット要件を管理するのに最適であり、機械学習(ML)やコンピュータ・ビジョンなど、アクセラレータに接続したロックステップ・モードで利用することで、データを効率処理できる。しかし、最も重要なのは、高水準のセキュリティ機能を維持することだ。

センサーの入力情報の拡大とともに、自動運転と運転者支援の進化によって、人々の自動車体験は大きく変わると考えられる。こうした進化の一環として、自動車にはこれまで以上に多くの画面が搭載され、より魅力的な体験をもたらすことが期待される。拡張現実(AR)対応のヘッドアップ・ディスプレイや、アラート、マップ画面の進化により、ドライバーにはさまざまな情報が提供される。一方の同乗者も、車内全体の多くの画面の提供する表現力豊かなビデオ・エンターテイメントに夢中になるかもしれないが、こうした新たなキャビン体験が人々に受け入れられるには、信用や信頼性、安全性のいずれもが不可欠となる。センサーは、外部を検知するだけでなく、内部、すなわちドライバーも監視する。まぶたの動きを監視し、疲れや体温、バイタルサイン、行動パターンを検知することで、その人に合わせた車内体験を演出できるようになる。こうした機能には、高スループット、機械学習処理、大量のヘテロジニアスな演算リソースが必要となる。

表現力豊かで没入感あふれる車内体験を効率的に提供するには、ヘテロジニアスな演算クラスタが必要となる。Cortex-65AEは、Split-Lock機能を搭載した、Arm初のスループット特化型のアプリケーションクラスのコアです。同様にSplit-Lock機能対応したCortex-A76AEと併用することで、これらのコアは、最高の安全完全性レベルと、業界をリードするパフォーマンスや電力効率を発揮する。
今回、Armの車載プラットフォームにマルチスレッドのCortex-A65AEプロセッサが加わったことで、Armの車載分野におけるリーダーシップはより強固なものとなっている。Arm Safety Readyの開発者向けツールのサポートと、すでに提供されているLinuxパッチを通じ、Armのソフトウェア・エコシステムは、Cortex-A76AEへの準備が整っている。

■完全自動運転の安全性向上を牽引

Armプロセッサを搭載した自動車・小型乗用車の年間走行距離は合計で5兆3,000億マイルに上る。Armの車載分野の今後のロードマップには、7nmに最適化された2019年のHercules-AEや、将来的なCortex-Rソリューションが含まれている。自社のポートフォリオを拡大し、機能的安全性に対応したIP製品を業界で最も幅広く取り揃えることで、Armは従来の可能性を変革していく姿勢。Arm Safety Readyプログラムはプラットフォーム全体をサポートしており、安全性分野でのArmの幅広い体験を活用することで、自動車メーカー、Tier1 サプライヤー、シリコン・パートナーに車載ソリューションをより迅速・安全に提供する狙いだ。
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