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『車の自動化、コネクティビティへの対応 』ボッシュ・越智純一氏

2016/9/30(金)

ボッシュ株式会社(以下ボッシュ)自動車システム統合部の越智純一氏は2016年7月、『次世代車載システムへどう進化すべきか – 車の自動化、コネクティビティへの対応 – 』をテーマに講演しました。

TU-Automotiveが主宰するイベントから、弊社が注目した講演の模様を連載でお届けします。

[LIGARE vol.29 (2016.9.30発行) より記事を再構成]

 

プレゼンター
自動車システム統合部
越智純一氏


メガトレンドとクルマの役割

近年、人口動態や都市化、エネルギー問題と温暖化、コネクテッド・ワールドといったいわゆるメガトレンドが提唱されていますが、そういったマクロな動きはクルマ業界にも大きな影響を与えると考えています。たとえば、人口動態。世界的に見ると2030年に世界の平均年齢が33.2歳に達すると言われています。つまり、生活のために移動を必要とする世代が世界全体でのボリュームゾーンになってくるということです。一方で日本は高齢化という問題を抱えており、このトレンドへの対応はクルマ業界において必要不可欠です。また、都市化というトレンドも重要です。2050年には世界の人口は90億人に達し、その70%は都市部に居住するようになるとも言われています。この状況に対し、クルマに求められる役割や人々の認識がどのように移り変わるのかを検討しなければなりません。エネルギー問題と温暖化では2035年には現在より30%多くのエネルギーを使うようになるとも言われ、エネルギー効率の改善が求められています。そしてコネクテッド・ワールド。2020年には500億ものセンサーがインターネットに接続されることになり、当然、その中にクルマというものも含まれることになります。


車載システムのロードマップ

こうしたメガトレンドに対し、ボッシュではE/Eアーキテクチャというロードマップを描いています。このロードマップでは、ボッシュの考える車載システムの将来的な変遷が示されています。現在の車載システムでは、個々の機能ドメインごとに、シャーシ・ドメインやインドテイメント・ドメインといった形でカプセル化され、分割して配置されており、それらが主にCANを通じて情報通信を行うといった形です。
しかし、近年では顧客ニーズへの対応やアプリケーション開発の面から、これらの機能統合が着々と進んでいます。ボッシュでは、近い将来、ドメインの集権化が起こると考えています。そしてその次の段階としてドメイン・フュージョンが起こるでしょう。というのも、自動運転を行うということになると、それぞれのドメインで独立して制御するのではなく一括で制御する必要が出てくるので、たとえばシャーシ・ドメインとパワートレイン・ドメインが独立性を失って、一つのドメインに統合あるいは融合してしまうことが考えられるからです。こういったドメインの融合は近接するドメインの融合に始まって連鎖的に起こるでしょう。シャーシ・ドメインとパワートレイン・ドメインが融合した後はさらにインフォテイメント・ドメインが融合していく、といった具合です。実は、こういったドメイン・フュージョンを実現するための基本的な技術開発はボッシュではすでに終了しており、これから実装するという段階に入ってきています。
最終的には、すべてのドメインが結合して一個のECUになってしまうでしょう。これはヴィークル・コンピュータと言えるもので、中央の車両頭脳と神経ネットワーク(ゾーン)による、機能ドメインに依存しない車両機能中央集権化構造です。そしてさらに次の段階では、制御機能はクラウドに移行されることになるでしょう。

ボッシュが考える車載システムのロードマップ



自動運転レベルに応じたフェイルセーフの機能向上



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