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AZAPAと米24m社、半固体電池を用いたEV設計で技術協力

2020/6/19(金)

AZAPA株式会社(以下、AZAPA)は、半固体電池のベンチャー企業である24m Technologies, Inc(米国マサチューセッツ州 以下、24m)と、半固体電池を用いた電気自動車(EV)設計で技術協力を行うと6月18日に発表した。
両社は、世界的なEVへの転換を背景に、「低コスト化に向けた性能設計アプローチ」および 社会循環エネルギー化に向けた「次世代BMS技術」に関して技術協力し、新機能の提供を目指す方針だ。
※ BMS(Battery Management Systems) 電池管理システム。

■AZAPAと24mが目指す新技術

AZAPAの発表によると、両社が目指す新技術には下記の3点を挙げている。

・「性能最適化シミュレーション技術」
EV電池を設計する際に、24M 製の電池は厚塗り電極を実施するため、現行のリチウムイオン電池のコストとパフォーマンスの最適化とは違った最適化が望まれるという。現状、EVメーカーの要求は現行のリチウムイオン電池で最適化されたものが中心となっているが、24M 製の電池でコストとEVのパフォーマンスを最大限に発揮する為には、異なったEV 電池要求特性が望ましいとしている。24mは、こうした電池設計の要求段階で、AZAPAのモデルベース技術によるEV性能最適設計のシミュレーション技術を利用した「性能設計アプローチ」に期待を寄せている。

・次世代BMSによる「劣化予測と超寿命化の技術」
AZAPAは、24mと劣化特性や動特性をモデル化し、劣化原因と走行状態などから、劣化予測の精度向上に取り組む方針。今後、入出力性能の高いバッテリを組み合わせ、24mの半固体電池とハイブリットでバッテリーシステムを統合化、エネルギーロスを走行状態で最適化しながら長寿命化する技術の開発をチャレンジするという。


・ブロックチェーンによる「リユース・リサイクル技術
EVは電池のリユース・リサイクも一つの大きなテーマだ。AZAPAの発表によると、新たな技術として精度の高い電池の劣化予測技術に加え、公正な取引基盤を構築する必要があるという。AZAPAでは、ブロックチェーンによりトラッキングを融合させるネットワーク技術で社会循環エネルギーに向けたプラットフォームを提案するとのことだ。また、24mの電池は、構造的に製造コストが低くリビルドが効率的に行えるため、リサイクルコストも低減できるメリットがあるとしている。



■両社の目的と背景
AZAPA と 24m は、世界的なEV市場の活発化の中で、従来のEV性能を高度化するだけではなく、EVを組み込んだ社会循環エネルギー網などの多角的な事業も見据えた技術革新が急速に発展する、と見据えている。これを踏まえ、両社は共に低コスト化に向けた前述の「性能設計アプローチ」や 社会循環エネルギー化に向けた「次世代BMS技術」など、共創、競争力のある新システムの開発を目指すとしている。

AZAPAは、2018年に世界EV市場におけるシステムインテグレーション事業を開始、これまでの取り組みの中で、EVメーカーの急速な技術成長に直面しながらも、今後の競争力に向けていくつかの課題を見出したという。特にバッテリーに関する、(1)品質・コスト・供給力の課題が顕在化、(2)電池のリユースの鍵は、残価評価と長寿命化、(3)リサイクル技術の未成熟、利益モデルの探索段階、という3つの課題は重大なものだとし、これらを解決することが、すなわち競争力ある提案となるという見解を示している。

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