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ブリヂストン、再生材比率65%超のソーラーカー用タイヤを開発 世界最高峰レースで性能実証

2025/9/5(金)

ブリヂストンは、世界最高峰のソーラーカーレース「2025 Bridgestone World Solar Challenge」に、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に高めたタイヤを供給したと発表した。同社として初めて再生カーボンブラックと再生スチールを採用。このタイヤを装着したチームが主要2クラスで優勝し、過酷な環境下でサステナビリティと性能の両立を実証した。

今回ブリヂストンが開発したタイヤには、同社として初めて採用する2つの再生資源が使われている。一つは、ENEOSとの共創により使用済みタイヤの熱分解から得られた再生カーボンブラック。もう一つは、使用済みタイヤから回収し、山陽特殊製鋼と日本製鉄の技術で製造された再生スチール製のビードワイヤ(タイヤ補強材)である。

これらの新素材採用により、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上。商品設計基盤技術「ENLITEN」も搭載し、低転がり抵抗や軽量化、耐摩耗性といったソーラーカーに求められる性能を高いレベルで実現した。

2025年8月下旬にオーストラリアで開催された「Bridgestone World Solar Challenge」では、このタイヤが約3,000kmにわたる過酷な長距離走行を支えた。結果として、同社のタイヤを装着したチームが、最高速度を競う「チャレンジャークラス」と実用性を競う「クルーザークラス」の両部門で優勝を果たした。

ブリヂストンは今回の取り組みを、原材料調達から開発、輸送、リサイクルに至るバリューチェーン全体でサステナビリティを追求する活動の一環と位置付けている。輸送には低炭素な船舶燃料を活用し、耐摩耗性の向上で使用本数を削減、使用済みタイヤは現地で酪農用ゴムマットにリサイクルするなど、多岐にわたる環境配慮を行った。

ブリヂストンは、こうした極限のレース環境を「走る実験室」と捉え、そこで得られた技術や知見を今後の製品開発に生かしていくとしている。

 クルーザークラス優勝チーム 「VTC Solar Car Team」

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