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ソニー・ホンダモビリティが新ブランド「AFEELA」を発表 2025年に北米で発売【CES2023】

2023/1/12(木)

ソニー・ホンダモビリティ代表取締役 会長兼CEOの水野泰秀氏

ソニー・ホンダモビリティ代表取締役 会長兼CEOの水野泰秀氏

ソニー・ホンダモビリティ(以下、SHM)は、米国ラスベガスで開催したCES2023で新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」を発表し、プロトタイプを初公開した。このプロトタイプをベースに開発を進めて、2025年前半の先行受注と同年中の発売を予定しており、デリバリーは2026年春に北米から開始する。一般公開に先立ち、1月4日(現地時間)に行われた記者会見には、ソニー・ホンダモビリティ代表取締役会長兼CEOの水野泰秀氏が登壇した。

モビリティ体験の中心に在る「FEEL」を表した新ブランド

「AFEELA」のプロトタイプのデザインにおいてSHMが掲げたのは、新たなモビリティの価値基準の創出だ。クルマの主な構成要素が動力性能やパフォーマンスから、ソフトウェア・ネットワーク・UXに変わっていく転換点において、今までの車両デザインに求められた個性や造形のあり方を見つめ直すと共に、積み上げられてきた価値観を磨き上げることで、本質的な価値を浮き彫りにし、ピュアで強いデザインに昇華することを目指したという。

ブランド名の「AFEELA」は、人がモビリティを“知性を持つ存在”として「感じる」こと、また、モビリティがセンシングとネットワークに代表されるIT技術を用いて人と社会を「感じる」こと、というインタラクティブな関係性を表現している。

「AFEELA」のプロトタイプ

CES2023で発表された「AFEELA」のプロトタイプ


活用方法の可能性は未知数の「Media Bar」

特徴的なデザインの一つが、車両外側に搭載した「Media Bar」だ。知性を持ったモビリティが、自らの意思を周囲の人に光で表現することで、乗車前からモビリティと人のインタラクティブなコミュニケーションが可能になるという。SHMは今後、パートナーやクリエイターと共に、Media Barの活用方法を模索していく。

プロトタイプには、車内外に計45個のカメラ、センサー等と共に、最大800TOPSの演算性能を持つECUを搭載。室内のインキャビンカメラやToFセンサーにより、ドライバーの運転状況や走行状態をモニタリングし、不慮の交通事故防止へも貢献する。さらにセンシング技術と組み合わせることで世界最高基準の自動運転と先進運転支援システム(ADAS)を目指していくという。

車両外側に搭載された「Media Bar」

「AFEELA」の車両外側に搭載された「Media Bar」


リアルとバーチャルを融合して移動空間をエンタメ空間に

車内空間では映画や音楽、ゲームなど最高のエンターテイメントを提供し、リアルとバーチャルの世界を融合していくことで移動空間をエンタテインメント空間・感動空間へと拡張する。その一例として、「Fortnite(フォートナイト)」などで知られるEpic Gamesと協業し、モビリティサービスおよびエンタテインメントの新たな価値創出に向けた検討を開始した。
モビリティのインテリジェント化を進めるため、自動運転やインフォテイメント、テレマティクスなどの主要機能には、QualcommのSnapdragon Digital ChassisのSoCを採用する予定。Qualcommとは、次世代のモビリティ体験の実現に向けて、戦略的な技術パートナーシップを築いていく方針だ。
「AFEELA」の車内の様子

「AFEELA」の車内の様子


「AFEELA」の日本国内でのデリバリーは?

今回の発表では、量産車については2025年前半に先行受注を開始し、同年中に発売、翌2026年春には北米でのデリバリーを開始する方針を打ち出している。このスケジュールは昨年10月にSHMの設立会見を行った際に発表したものと同様のため、日本国内でのデリバリーは2026年後半の予定と見込まれる。

ソニーの「VISION-S」とSHMの「AFEELA」

CES2020での「VISION-S」を初公開以降、ソニーは公道走行テストや5G走行試験を実施し、CES2022では「VISION-S」のSUVタイプの試作車を発表するなど研究開発を進めてきた。「VISION-S」と「AFEELA」いずれにおいても掲げた移動空間のエンタメ空間への拡張、そして「AFEELA」で目指すリアルとバーチャルの融合、それぞれが今後どのように進化するのか、続けて注目していきたい。

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