ニュース

大阪ガスネットワーク、京都市バスにAIカメラ搭載 ガス管パトロールを自動化

2025/11/27(木)

大阪ガスネットワークは、京都市交通局と協力し、市バスの車両に「工事現場をAIで自動認識する車載カメラ」を搭載して、ガス管のパトロール業務を開始した。路線バスが通常運行しながら道路上の工事現場を自動で検知するもので、保安品質と業務生産性の両立を図る。今回の京都市での運用開始により、関西三大主要都市(大阪・神戸・京都)でのAIパトロール体制が整うことになる。

道路に埋設されたガス管の付近で他事業者が掘削工事を行う際、ガス管の損傷を防ぐため、事前に大阪ガスネットワークへ連絡することが義務付けられている。しかし、連絡なしに工事が行われるケースもあり、ガス管損傷のリスクが常に存在していた。そのため、同社ではこれまで、点検員がパトロール車で日々巡回し、連絡のない工事の早期発見に努めてきた。

この巡回業務を効率化し、保安レベルを向上させるために開発されたのが、AIカメラを活用したパトロールシステムだ。路線バスの前面に設置したカメラが走行中に道路状況を撮影。AIがその映像から工事現場である可能性が高い画像を自動で抽出し、事務所のオペレーターが連絡の有無を確認する仕組みだ。

このシステムを路線バスに搭載することで、点検員が自ら巡回する必要がなくなり、業務の大幅な省力化が実現する。さらに、路線バスは同じルートを1日に複数回走行するため、点検員による1日1回の巡回に比べ、パトロールの頻度が向上。これにより、連絡のない工事をより早期に発見し、ガス管損傷のリスクを低減できる。実際に、先行導入した地域では、運用開始前と比較して約2倍の連絡なし工事が発見されたという実績がある。

大阪ガスネットワークは、2021年から大阪シティバスで、2024年からは神戸市の神姫バスでこの取り組みを開始している。今回、新たに京都市バス30台にAIカメラが搭載されることで、導入車両は累計110台に拡大する。

同社は今後も、スマート保安技術の導入を通じて、ライフラインの安全確保と業務効率化を両立させ、社会インフラの強靭化に貢献していくとしている。


get_the_ID : 249764
has_post_thumbnail(get_the_ID()) : 1

ログイン

自動運転特集

ページ上部へ戻る