デンソー・みちのりHDら、EVバスの導入に向け実証事業
2020/11/11(水)
株式会社みちのりホールディングス(以下、みちのりHD)、会津乗合自動車(以下、会津バス)、株式会社デンソー、ABB日本ベーレー株式会社、株式会社ダイヘン、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、デロイト トーマツ)は、2020年10月からEVバスに関する実証事業を開始。11月10日にその検証内容を発表した。
今回の実証ではEVバス車両からのデータ収集と電費※1予測の検証、充電管理技術の実証、営業所単位でのEVバス導入検討を実施する。※1 電気自動車における単位走行距離当たりの消費電力、または単位電力量当たりの走行距離。
車両のデータ収集は、会津バスが2018年12月から運行している3台のEVバスから行う。3台の電力消費量、運行距離などの車両データに加え、車載カメラで計測する乗車人数、バスロケーションシステムからの遅延情報、天候や積雪状況などの外部環境データを収集する。
収集したデータをデンソーがAIを用いて電費の分析や予測アルゴリズムを検証。EVバスの走行可能距離の管理精度を高め、EVバス導入時の基礎データに役立てる狙いだ。
※1 電費とは、電気自動車における単位走行距離当たりの消費電力、または単位電力量当たりの走行距離。
さらに、車両側のデータ活用だけでなく、効率的にEV充電を行うための充電管理技術も検証する。ABB日本ベーレーが運行計画、電力価格等のデータを取り込み充電スケジュールを生成。そのスケジュールに沿って充電器からEVバスに充電を行うため、ダイヘンが開発した制御技術「SynergyLink」を活用する。これらを通じて、EVバスの大規模導入時も想定した、適切なタイミング・量の充電や運行管理の実現をめざす。
さらに、本格的なEVバスの活用を見据え、実証で得た知見を生かし、みちのりHDのグループ各社の営業所単位でのEVバス導入の可能性を検討する。
■導入に向け、合理化・コストダウンを視野に
なお、今回の実証は、産業技術総合研究所(産総研)が2020年度に実施する「商用車を活用した物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証事業」を受注し、実施されるもの。将来的にはEVバスのエネルギーマネジメントシステムを構築し、エネルギー使用量のモニタリング、電気調達管理、運行計画立案などを一体的に実施し、導入・運用コストが高いEVバスの合理的運用をめざす。
また、バスの運行形態をEVバスに適合させることで、必要となる車載電池容量を抑えたEVバス開発の実現可能性や車載電池からの電力融通について検討を行っていく。