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デンソーテンや楽天モバイルら3者、イベント時の混雑緩和に向けた実証実験開始

2021/10/7(木)

現状の課題と
実証実験のスキーム
(イメージ)

株式会社デンソーテン(以下、デンソーテン)は、イベント時の混雑緩和方策の検討ならびにイベント会場周辺の経済活性化を目的とする実証実験を10月2日より開始した。10月6日付のプレスリリースで明かしている。

デンソーテンは、都市の交通課題ソリューション「困ってMaaS」を提供している。同ソリューションは、イベントなどによって発生する混雑や渋滞を緩和するものだ。今回の実証実験にも同ソリューションを利用する。



同実証実験は、国立大学法人神戸大学(以下、神戸大学)、楽天モバイル株式会社(以下、楽天モバイル)と共同で実施する。ノエビアスタジアム神戸にて、試合終了後、帰宅者が集中する時間と場所を分散することで、混雑緩和の実現を目指す。

イベント開催時のノエビアスタジアム神戸周辺では、近辺の駅構内およびスタジアムから駅に向かう道路の混雑が地域課題となっている。混雑緩和は、ニューノーマル社会において、新型コロナウイルス感染症拡大のリスク低減など、安心安全なイベント開催の実現を可能にする。さらに、イベント会場周辺施設に来場者を分散して誘客することで、地域商業施設活性化に貢献するという。

具体的には、「スタジアム周辺の公共交通機関の混雑状況の配信」「待ち時間に応じたインセンティブ(ポイント)の付与」「スタジアム内の混雑状況がわかるライブ映像の配信」を行う。混雑情報は、熱(赤外線)の変化を感知する焦電センサー情報を基に、試合終了後の人の流れを予測し、公共交通機関の混雑状況(待ち時間)をアプリに表示する予定だ。

ポイントは、試合終了後に指定のエリア内で待機することで、時間に応じたポイント数が付与される。このポイントは、スタジアム内のグッズ販売店や会場周辺の提携店舗で使用可能なクーポンと交換できる。ユーザーの待機行動と提携店舗への誘引を促し、混雑緩和と会場周辺の経済活性化の両立を図る。

スタジアムの入り口や売店等には、楽天モバイルの5G対応オリジナルスマートフォン「Rakuten BIG s」を設置する。このスマートフォンを使い、周辺状況の撮影および映像のライブ配信を行う。これにより、ユーザーは、アプリ上でライブ映像から混雑状況を確認することで、混雑を避けた行動が可能だ。ライブ配信の一部において、楽天モバイルの提供する5G商用網を活用する。

さらに、 試合終了後、会場内でのみ利用できるヴィッセル神戸に関するクイズを出題するゲーム機能を提供する。これにより、ユーザーの試合終了後の会場待機へのモチベーション向上を図る。また、混雑の少ない場所でタクシーに乗車できるよう、タクシー配車のオーダー時に複数の乗り場候補を設定する。これにより、混雑を避けたスムーズなタクシー配車手段を提案する。

同実験では、神戸大学は行動変容に関するデータ分析および来場者への効果的な提案通知方法の検証を行う。楽天モバイルは、映像の配信に活用する5G環境や技術知見を提供する。デンソーテンの担当は、専用スマホアプリの開発および人流の計測・交通機関の混雑状況の予測、来場者への最適な情報提供を行うためのデータ分析だ。

同実証実験は、神戸市が公募した研究活動助成プロジェクト「大学発アーバンイノベーション神戸(令和2年度)」にて採択された5Gネットワークを活用したイベント会場の混雑緩和や遠隔コミュニケーション手法に関する研究開発の一環として取り組んでいる。なお、3者は、今後、実証実験を継続し、研究開発・実証研究を通じて、ニューノーマル社会のイベント実施における混雑緩和と地域活性化の両立に寄与すると述べている。



(出典:デンソーテン Webサイトより)

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