デンソーテン タクシー配車アプリの海外相互利用技術を開発
2018/10/31(水)
株式会社デンソーテン(以下、デンソーテン)の販売子会社である株式会社デンソーテン販売(以下、デンソーテン販売)は、タクシー予約・配車アプリケーションの海外相互利用を可能にするAPI(※)を開発した。
デンソーテンでは、コネクティッド化や自動運転化などの自動車産業における急速な進展を捉え、グループ各社の情報・通信技術を駆使した「Vehicle-ICT」に取り組んでいる。あらゆるクルマがネットワークにつながる時代を見据えた、コネクティッド事業への取組強化もその一環だ。そしてデンソーテンは、1950年代にタクシー用無線機を納入して以来、1996年に自動配車システム、2003年にデジタル配車システム、2015年にクラウド型配車システムを納入するなど、60年以上にわたりタクシービジネスのノウハウを蓄積し進化を遂げてきた。タクシー事業においても、コネクティッド事業への取り組みを強化するため、今回タクシー予約・配車アプリケーションの海外相互利用を可能にするAPIの開発に至った。日本と海外、双方のアプリユーザーが各々の国・地域あるいは生活拠点とする国・地域において使用する予約・配車アプリをそのまま相手国・地域で使用して現地でサービスを受けられる、いわゆる海外ローミングはタクシー業界において珍しいサービスだ。早速、日本と台湾の大手タクシー事業者で、2018年8月6日に業務提携した大和自動車交通株式会社(以下、大和自動車交通)と台湾大車隊股份有限公司(以下、台湾大車隊)が、サービスの実証実験を行った。(※)Application Programming Interfaceの略。あるソフトウェアの機能や管理するデータなどを、他のソフトウェアから呼び出して利用するための手順やデータの形式などを定めた規約(仕様)。これにより、あるソフトウェアの機能やデータの共有が他のソフトウェアでも可能になる。
言葉が通じなくても容易な移動を実現 日本と台湾で実証実験開始
実証実験は、双方のホームページを通じて相手国・地域の観光地周遊タクシーや空港送迎タクシー、ならびに双方のタクシー予約・配車アプリを通じて相手国・地域の予約・配車サービスを提供するというものだ。デンソーテン販売は、①大和自動車交通のユーザーに台湾大車隊、②台湾大車隊様のユーザーに大和自動車交通のサービスを利用してもらう際に必要な双方のアプリをつなぐAPIを開発。①に関する実証実験を9月1日から開始した。②についても年内に開始する予定だ。旅行や仕事などの目的で日本と台湾を行き来する人々は増加の一途を辿っている。しかし、それぞれ、タクシーに乗車しても言葉が通じず行先を正確に伝えられなかった、といった問題が見受けられる。今回開発されたアプリは、「乗車場所」と「行先」を登録すれば、言葉が通じなくても希望する場所へ容易にの移動することができる。「乗車場所」はスマートフォンのGPS機能による特定、行先はリストから選択、あるいは地図上での検索を利用すれば簡単に設定できる。このアプリによって移動に関する障壁を緩和することが期待される。
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