DiDiモビリティジャパン、兵庫エリアで配車サービス開始
2019/5/29(水)
DiDiモビリティジャパンは、5月29日から兵庫エリアにてタクシー配車プラットフォームの提供を開始する。
DiDiモビリティジャパンは、2018年6月に設立された「滴滴出行(以下DiDi)」とソフトバンクとの合弁会社。DiDiは世界で約5.5億人が利用する中国の大手配車サービスで、ドライバー数は3,100万人、1,000都市でサービス提供されている。2018年9月から大阪、2019年4月から東京および京都でもサービスを開始している。兵庫エリアでは29日から神戸市、明石市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、川西市、川辺郡、伊丹空港において、第一交通グループ、神戸相互タクシー、日の丸ハイヤー、駒姫交通、オリエンタルタクシー、アロハタクシー、扇弘グループ、青木タクシー、大成交通、日本タクシー、ウィングキャブの11社からの配車が可能となる。第一交通の山下道雄所長は「インバウンドのお客様の利用に期待している。目的地はお客様がアプリ内で設定するので、乗務員も余裕のある対応ができると考えている。国内でも今まで利用しなかった若年層にも使っていただきたい」と兵庫での配車サービス開始へ期待を込めた。
DiDiの配車サービスでは、ユーザーとドライバーをAIの配車エンジンを使って効率的に引き合わせるのが特徴。一日で地球5,000週分である約2億kmを、リアルタイムで分析してサービス改善につなげている。4月には「Yahoo!乗換案内」アプリとの連携を開始。「Yahoo!乗換案内」から「DIDI」アプリへ連動してタクシー予約することが可能になった。また、「DIDI」アプリ内で「PayPay」の支払いが完結するアプリ間決済の機能を5月末に搭載することを発表している。
国内のタクシー配車アプリには、全国でサービス展開する「JapanTaxi」、東京、大阪、名古屋、福岡などの主要都市で配車可能な米配車サービス大手の「Uber」、東京と神奈川でサービス展開するDeNAの「MOV(旧タクベル)」、都内のタクシー会社5社(グリーンキャブ・国際自動車・寿交通・大和自動車交通・チェッカーキャブ)とソニーの合弁企業であるみんなのタクシーが4月から東京で展開している「S.RIDE(エスライド)」がある。
配車アプリが複数存在し、タクシー会社の奪い合いとなっていることについて、DiDiモビリティジャパン 取締役副社長の菅野圭吾氏(以下、菅野氏)は「DiDiはオープンプラットフォーム。各社のアプリ同士の戦いではないと思っている。ユーザー、タクシー会社に我々を選んでもらえるかどうか」と話し、サービスとプロダクトの質の向上に目を向ける。「開発スピードと開発能力、ユーザー・ドライバー視点を組み合わせて変えていける」のがDiDiの強みだと述べ、例えば、最初に設定した乗車地点とは反対側の道でタクシーに乗りたいというニーズには、乗車地点を変更できる設定にすることで応えているという。
配車率については、「大阪では5分以内にマッチングが実現できている。京都でもサービスに使い慣れた中国人ユーザーが多いので、高い率でマッチングできている」とし、「(AIによるマッチングで)近くにいるタクシーにどんどん割り当てていくことができるので、我々が思っている以上に配車率は安定している」と懸念されている配車率への不安を払拭した。
日々変化を見せる移動分野について、「移動革命が起こって、移動分野の合従連衡、アライアンスが広がっている。我々としてはこれをつなげて、ユーザーに届けていきたい。業界の成長を促せるような革新を目指す」(菅原氏)と話す。
今後は兵庫の他、北海道や福岡など、全国13都市でサービスを拡大していく。