大日本印刷ら5社、改装ミニバンを使った「移動会議室」実証実験開始
2021/5/26(水)
大日本印刷株式会社(以下、DNP)は5月25日、日産自動車株式会社(以下、日産)、株式会社ゼンリン(以下、ゼンリン)、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)、株式会社クワハラ(以下、クワハラ)と共に、車での移動中に快適にWeb会議ができる「移動会議室」の実証実験を、東京都と神奈川県の一部地域で、2021年6月28日から約3か月間実施すると発表した。
今回の実証実験では、「移動時間を有意義に活かす」をコンセプトに、高級ミニバンの後部座席をWeb会議が問題なく行える環境に整えることで、移動しながらの打ち合わせやプレゼンテーションなどをより効果的に実施できるよう検証し、効率的で安全、安心な働き方の実現につなげていくという。実施期間は、2021年6月28日~9月24日の平日9:00~18:00(8月9日~13日を除く、土日祝日は運休)だ。車両には、ゆったり座れる日産のミニバン「エルグランドVIP 2列シート」を採用し、後部座席の前面に大画面(32インチ)のディスプレイを設置するなどの改装を行う。さらに、Web会議用の通信回線として、ソフトバンクが提供する5Gを含むネットワークを利用し、快適な通信環境を実現する。前席に会話の内容が漏れないように前席と後部座席の間には遮音壁を装備し、秘匿性の高い会議にも対応する。
会議終了前に目的地に到着した場合は、DNPが開発する専用のコミュニケーションツールを用いて運転手と連絡をとり、駐停車可能な場所に車両を停めて、会議が終了するまで「移動会議室」を利用できる。このコミュニケーションツール上では、ゼンリンが提供する「ZENRIN Maps API」により、現在の走行位置を住宅地図レベルまで詳細に確認可能だ。従来高級ワンボックスタクシー・ハイヤー事業を展開してきたクワハラが、この車両の運行サービスを提供する。
DNP・日産自動車・ゼンリン・ソフトバンク・クワハラの5社は、今後、それぞれが持つ技術などの強みを活かし連携した今回の実証実験を通じて、「移動会議室」のサービスの価値と需要の検証を行い、事業化を目指すという。なお、5社は、従来は活用できていなかった移動の時間・空間を価値あるものへと変えていく新たなモビリティサービスの開発を通して、多様な働き方が求められる未来の社会に寄与していくと述べている。
(出典:大日本印刷 Webサイトより)