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ドコモ、交通需要予測技術でシェアサイクル再配置最適化の実証を開始

2018/11/9(金)

シェアリング交通需要予測技術イメージ図

シェアリング交通需要予測技術イメージ図

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と株式会社ドコモ・バイクシェア(以下、ドコモ・バイクシェア)は、自転車シェアリングサービスにおける自転車再配置作業の最適化をめざす実証実験を11月26日(月)から千代田区、港区、新宿区で開始すると発表した。
本実験では、ドコモのモバイル空間統計® (※1)のリアルタイム版である「近未来人数予測® (※2) 」(以下、人口統計データ)と、ドコモ・バイクシェアの自転車利用実績データ(以下、実績データ)などを基に、ドコモが開発した深層学習技術によるAIを用いて再配置計画の最適化を行う「シェアリング交通需要予測技術(※3)」を活用する。

近年、朝夕の通勤ラッシュ時間帯における過度な交通需要の緩和や、観光地でのより柔軟な移動手段として、自転車シェアリングサービスが注目されており、今後も利用者の増加が見込まれている。ドコモ・バイクシェアのサービスでは、2011年度のサービス開始時は年間の利用回数が約4万回だったが、2016年度には220万回、2017年度には470万回と急速に利用回数が増えている状況にある。さらに、都内のサイクルポートは2018年10月末で約580カ所、自転車台数は約5,900台と順調に増加を続けている一方、自転車の配置数を適正な状態に維持するためのノウハウを持った再配置作業者の不足が課題となっている。

今回新たに開発する「シェアリング交通需要予測技術」は、人口統計データや実績データに加え、気象データ、周辺施設(POI※4)データなどを組み合わせ、深層学習などの人工知能技術を適用することで自転車の貸出・返却需要を予測するシェアリング交通需要予測モデルを作成し、その時点から12時間後までの1時間ごとにおける各サイクルポートの利用可能自転車台数を予測する。また、その予測情報とサイクルポートのラック数などの制約事項に基づいて、自転車が設置されたラック数を大幅に超過しているサイクルポート、および利用可能な自転車がないサイクルポートの数を最小限に抑えるための再配置計画を、将来の利用動向を考慮して生成する。今回の実験では、再配置作業者に対しタブレット端末などで再配置計画を提示し、その内容に基づいた再配置を実施することで自転車再配置業務の最適化を図る。

将来的には、「シェアリング交通需要予測技術」の実用化により、提示された再配置計画によって、再配置作業者が効率的な再配置を実施することができ、利用者が自転車を利用したいときにサイクルポートに自転車がないという状況の改善を目指している。

また、同実験において予測情報や生成された再配置計画の正確性について、技術検証を行うことでトピックス「シェアリング交通需要予測技術」を確立し、将来的に他の地域での実績データを追加することで、さまざまなエリアでのサービス提供を目指す。

※1 「モバイル空間統計」は、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される人口の統計情報。集団の人数のみを表す人口統計情報であるため、顧客個人を特定することはできない。ドコモは、顧客のプライバシーを厳重な保護を目的とし、モバイル空間統計を作成・提供する際に順守する基本事項をまとめたガイドラインを公表している。
※2 モバイル空間統計のリアルタイム版である「近未来人数予測」は、これまで雑踏警備対応における人出予測の技術検証、2018年10月から開始した横浜MaaS『AI運行バス®』実証実験などで活用している技術。
※3 「シェアリング交通需要予測技術」はNTTグループのAI「corevo®」を構成する技術。
※4 POI(POINT of Interest)とは建物や店舗などの施設情報を指す。

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