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福島交通ら、グリーンスローモビリティの導入を検証。「日本で最も美しい村」飯舘村で

2020/8/27(木)

IoT技術等を用いた遠隔からの支援体制の全体像

IoT技術等を用いた遠隔からの支援体制の全体像

みちのりグループ傘下の福島交通株式会社(以下、福島交通)、飯舘村(福島県)、株式会社みちのりホールディングス(以下、みちのりHD)、ジョルダン株式会社(以下、ジョルダン)は地域コンソーシアムを形成し、グリーンスローモビリティの実証実験を8月26日から行うと発表した。なお、この実証実験は2019年度「IoT技術等を活用したグリーンスローモビリティの効果的導入実証事業」として環境省に採択されたもの。
※:電動で、時速20km未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上のパブリックモビリティ。
今回の実証実験ではIoTを活用することで、遠隔から運行監視を支援し、営業所を持たない場所でも適切な運行管理を行うことができる。その結果、従来よりも広いエリアで運行可能となる。

車両は、ヤマハのゴルフカーをベースにしたグリーンスローモビリティAR-07を採用。事業のとりまとめ団体である復建調査設計株式会社が貸与する。グリーンスローモビリティの運行により環境負荷を下げ、「日本で最も美しい村」に選ばれている飯舘村の環境を守ることにも貢献したい考えだ。
※同村はNPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟している。https://utsukushii-mura.jp/

■実証実験の概要

IoT技術の提供は、ジョルダン、パイオニア株式会社(以下、パイオニア)、パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(以下、PSSI)、富士通株式会社(以下、富士通)が行う。今後、今回の知見を活かしながら継続的な運用可能性を検証し、さまざまな地域への提供を目指すことで、中山間地における新たな交通ネットワークの構築を目指す方針だ。

実証実験の詳細は以下の通り。

(1)遠隔からの安全運行支援システム 交通事業者による遠隔からの支援により、出発前~運行中~帰庫後までの一連のオペレーションを可能とする体制の構築を目指すもの。

ジョルダンの通信技術、パイオニアの音声通話システム「Any-on」、PSSIの測位技術を活用する。車両内外の映像を福島交通の運行監視センターに送信し、遠隔からの運行状況把握を可能とするとともに、監視側と車両側で音声によるコミュニケーションが取れる仕組みを導入している。

このシステムにより、専門の運行管理者や整備職を拠点に置かずにラストワンマイル交通を持続可能な事業として成立させることができる。飯舘村のような中山間地域における方策として、将来的には地元のNPOや社会福祉協議会が選定した高齢者を含めた現地住民が運転士の役割を担う体制も想定している。
(技術提供:ジョルダン、パイオニア、PSSI)

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ジョルダンの通信技術とパイオニアの音声通話システムを活用した運転士・運行管理者間の連絡システム




福島交通4

運行管理画面
左:カメラによる運転状況のモニタリング
右上:音声コミュニケーションツール管理画面
右下:GPS情報に基づく資料位置情報のモニタリング)


(2)幅広い年齢層に対応した車両予約システム 今回の実証実験では4つの車両予約手法を導入している。具体的にはWebフォームからの予約、オペレーターを介した電話予約、自動音声対応での電話予約、「スマートバス停」に設置された呼出ボタンからの予約だ(スマートバス停からの呼出、自動音声電話での電話予約は、10月から導入予定)。

4種類もの予約方法を検証することについて、福島交通らの共同発表によると、「中山間地におけるラストワンマイルを担う交通モードとして、グリーンスローモビリティが一般的となる社会を想定した場合、広い年齢層にわたるユーザーに応じた予約手段の多様性が必要になるため」だとしている。
(技術提供:ジョルダン、富士通、パイオニア)

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車両予約方法の全体像


(3)走行ルート 実証は8月26日から9月20日まで(1ルート)、10月1日から11月15日まで(2ルート)、期間を分けて3ルートで運行する。飯舘村役場、道の駅や地区集会所、さらには地元のクリニックなど地域の拠点を結びダイヤ運行する。

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実証実験のルート


(4)ユーザー特性に配慮した「スマートバス停」の予約システム 高齢者を中心とする地域内の住民による利用に加え、域外からの訪問者による利用が想定されるため、幅広い年齢層や不慣れなユーザーでも利用できる操作性・視認性に配慮したUIをコンセプトとした車両予約システムを実装する。

特にバス停については、「スマートバス停」を導入する。これは、主にパイオニアの音響信号処理技術を用いた音声案内システム「Any-on」による運行情報・地域情報などのアナウンスおよびグリーンスローモビリティの呼び出し機能を実装している。ラストワンマイル交通サービスに重要な要件となる乗り継ぎ待ち時間のストレスがないユーザー体験の提供を掲げる。

バス停のパネルに設置されたダッシュボタンから車両の呼び出しができるほか、パネルに装着されたアクチュエーターでパネル自体が振動して音を発し、路線バスの到着時刻や地域情報を取得できる。
(技術提供:パイオニア)

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スマートバス停

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