古河電工、ドラレコを活用した道路標識メンテナンスの実証実験結果発表
2022/5/17(火)
古河電気工業株式会社(以下、古河電工)は、2021年10月に開始した愛知県名古屋市のフィールド活用型社会実証支援「Hatch Meets」の実証プロジェクトにおける実証実験「道路標識メンテナンスDXプロジェクト」を3月に完了した。5月16日付のプレスリリースで明かしている。
国土交通省は、2014年の「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」以降、標識や照明などの点検要領を示しているが、数が膨大で業務負荷が高く、道路附属物等の点検実施率は低い状況だ。また、人員不足や財政面の課題から、デジタル化・新技術導入によるメンテナンス業務の効率化とコスト最適化が求められている。古河電工は、独自のRPA(Robotic Process Automation)技術を用いて「みちてんクルーズ」を開発している。同システムは、パトロールカーに取り付けたドライブレコーダーの走行動画から台帳に記載されている位置情報に基づき道路附属物付近の短尺の動画を抽出・データ化し、効率的な点検を支援するものだ。今回の実証実験では、同システムを用いて、道路附属物の外観目視点検と維持管理業務の効率化が期待できることを確認している。
具体的には、道路パトロールカーのフロント・サイド・リア側にドライブレコーダーを設置し、「みちてんクルーズ」を活用する。これにより、録画データから道路標識などの道路附属物を特定し、支柱の腐食や標識板の折れ曲がり、ボルトのサビなどの変状を画像データ上で確認できるか検証した。さらに、名古屋市が同時期に実施している道路標識の業務委託の点検結果と照合比較することで、近接目視による点検結果とどれだけ違いがあるかを確認している。この結果、道路附属物のさまざまな変状を広範囲に把握することが可能であることを確認した。
また、今回の実証実験では、デジタル化によりデータの収集と同時に管理台帳を作成でき、継続的なデータの蓄積で経年劣化の進行具合を定点観測できることから、より効率的な道路附属物の維持管理への貢献が期待できることも確認している。なお、古河電工は、今回の実証実験を通して得られた知見をもってさらなる点検技術の向上を図り、道路維持管理業務の効率化・高度化に貢献していくと述べている。
(出典:古河電工 Webサイトより)