日野とVWが提携を発表、EV・自動運転の共同開発も
2018/4/13(金)
4月12日、日野自動車とフォルクスワーゲン トラック&バスが自動運転やEVの共同開発などを視野にいれた提携を発表した。戦略的協力関係の構築に向けた合意書に調印。合意に基づいた「アライアンス委員会」を設置し、協業する分野の具体的な検討を開始する。
下社長は現在の自動車業界を「100年に一度の大変革期」と見ており、なかでもトラック・バス業界が抱える課題として「eコマースの普及によるトラックドライバー不足と、高齢化。地方では高齢化とともに電車やバスが廃止され、移動に苦労される人が増加している」と述べる。その上でVW トラック&バスは危機感とゴールを共有できるパートナーと位置付け、ともに課題解決にあたっていきたいと語る。
「トラックやバスと乗用車とは、技術を含めまったく異なる。我々がフォルクスワーゲングループであることに変わりはないが、そもそも日野もフォルクスワーゲンも大型商用車事業と乗用車事業は分離されている」。また下社長も「トヨタとの関係性はまったく変わらない。トヨタグループにはトヨタグループなりの強みがあるが、商用車の抱える課題はそれだけでは解決できない」と説明する。今回の合意にはトヨタ、フォルクスワーゲン両社からの後押しもあったといい、むしろ両グループの垣根を超えさせた課題の大きさを感じさせる。
しかし大型商用車市場では、日野とVW トラック&バスがライバル関係にあったことに変わりはない。現在VW トラック&バス傘下のスカニアやMANは南米で存在感を強めており、アジアでも販売攻勢を強めたい思惑がある。一方の日野はもともとアジア市場に定着した販売網を持つ。こうした状況は一見ライバル関係が継続しているように思えるが、今回の合意では販売網の相互利用や製品の相互供給も検討課題に入っている。いずれ大型商用車市場の勢力図に変化が見えることは確実だろう。
関連記事:日野自動車が目指す未来 もっと働くトラック・バス 東京モーターショー2017
両者CEOも参加する検討委員会を設置
アライアンス委員会には日野の下義生代表取締役CEOとVW トラック&バスのアンドレアス・レンシュラーCEOのほか、両社の役員級のメンバーで構成される。物流・交通に関わるソリューション調査や、既存技術と将来技術の相互提供、製品・部品の調達などが検討の俎上に乗るとされており、電動、内燃機、ハイブリッドを含むパワートレーンやコネクティビティー、自動運転システムの共同開発なども検討するという。下社長は現在の自動車業界を「100年に一度の大変革期」と見ており、なかでもトラック・バス業界が抱える課題として「eコマースの普及によるトラックドライバー不足と、高齢化。地方では高齢化とともに電車やバスが廃止され、移動に苦労される人が増加している」と述べる。その上でVW トラック&バスは危機感とゴールを共有できるパートナーと位置付け、ともに課題解決にあたっていきたいと語る。
乗用車ではライバル、商用車でもライバル?
日野の親会社であるトヨタと、VW トラック&バスの親会社であるフォルクスワーゲングループ。両社は乗用車の生産台数世界首位を狙い合う、いわずと知れたライバルだ。利益相反する部分はないのだろうか。この疑問に対し、レンシュラー社長は語る。「トラックやバスと乗用車とは、技術を含めまったく異なる。我々がフォルクスワーゲングループであることに変わりはないが、そもそも日野もフォルクスワーゲンも大型商用車事業と乗用車事業は分離されている」。また下社長も「トヨタとの関係性はまったく変わらない。トヨタグループにはトヨタグループなりの強みがあるが、商用車の抱える課題はそれだけでは解決できない」と説明する。今回の合意にはトヨタ、フォルクスワーゲン両社からの後押しもあったといい、むしろ両グループの垣根を超えさせた課題の大きさを感じさせる。
しかし大型商用車市場では、日野とVW トラック&バスがライバル関係にあったことに変わりはない。現在VW トラック&バス傘下のスカニアやMANは南米で存在感を強めており、アジアでも販売攻勢を強めたい思惑がある。一方の日野はもともとアジア市場に定着した販売網を持つ。こうした状況は一見ライバル関係が継続しているように思えるが、今回の合意では販売網の相互利用や製品の相互供給も検討課題に入っている。いずれ大型商用車市場の勢力図に変化が見えることは確実だろう。
関連記事:日野自動車が目指す未来 もっと働くトラック・バス 東京モーターショー2017