同事業は、「令和3年度バッテリー交換式EV開発及び再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」として、2021年に環境省より採択された。伊藤忠商事が、共同実施企業であるいすゞ自動車株式会社、JFEエンジニアリング株式会社、株式会社エッチ・ケー・エス、株式会社ファミリーマートの4社と共に取り組んでいる。

4社は、これまでバッテリー交換式小型EVトラック、バッテリーパック、およびバッテリー交換ステーションを開発していた。同実証では、開発したバッテリー交換式小型EVトラックを、実際にファミリーマートの配送車として運用する。

具体的には、埼玉県三郷市にあるファミリーマート三郷中央定温センターにバッテリー交換ステーションを設置する。そして、埼玉県三郷市と八潮市を中心とするファミリーマートの延べ約80店舗に向けて、1日3便の店舗配送コースで使用する。配送する主な商品は、おむすびや弁当、サンドイッチなどの中食だ。

今回開発したバッテリーパックは、約3分で交換できる。そのため、充電にあまり時間をかけずに、トラックを配送に使用することが可能だ。伊藤忠商事は、1台当たりのCO₂削減量を、軽油使用の内燃車比較で6.1t/年になると試算している。さらに、バッテリー交換ステーションの屋根に設置した太陽光パネルを用いて、再生可能エネルギーとの連系についても検証を行う予定だ。

同社は、中期経営計画の基本方針に「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げている。今回の配送実証を通じて品質・性能・安全性を確認し、さらに高めることで早期実用化を目指すという。

くわえて、同社は、日本における商用車のEV化を促進することで、物流網の脱炭素化に貢献する。ほかにも、脱炭素社会・持続可能な地域社会の実現や、地球環境への負荷軽減に向けて、今後も貢献していくと述べている。


(出典：伊藤忠商事 Webサイトより)