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ITS Connect無線技術は自動運転に有効 推進協議会が発表

2021/9/27(月)

道路の形態別
交通事故発生状況

ITS Connect推進協議会は、ITS Connect無線技術を活用した実証実験を各地で実施し、自動運転走行に有効だと確認した。9月23日付のプレスリリースで明かしている。

ITS Connectとは V2X(Vehicle to Everything)を代表するサービスの1つだ。インフラ設備と車との無線通信(路車間通信 V2I)や、車同士の直接通信(車車間通信 V2V)によって情報を取得。見通しの悪い交差点等において、これらの情報をドライバーに知らせることで、安心・安全な運転を支援する。

V2Iの実証実験では、スマートポールを使用している。スマートポールとは、通信機器、センサーやカメラ、LED表示板やクラウド接続機能等を、要望に応じ組み合わせたものだ。設置した後でも、システムの性能・機能を向上させたり、最新のアプリケーションに対応させることができる。さらに、ビル壁面等に設置可能だ。実用化にむけ、特定非営利活動法人ITS Japanを中心に検討されている。

日本では、信号無し交差点での事故が、全体の約4割を占めている。別の調査では、信号無し交差点が約80万カ所、「毎年事故が発生する信号無し交差点」は約1万カ所、「5年に1度は事故が発生する信号無し交差点」は約20万カ所もあると推計されている。

スマートポールの実証実験は、これまでに愛知県豊田市(以下、豊田市)、兵庫県姫路市(以下、姫路市)、長野県塩尻市(以下、塩尻市)などで行われた。豊田市では、「豊田市つながる社会実証推進協議会」の取り組みとして、交通死亡事故の削減を目指す官民連携による「ジコゼロ大作戦」を実施している。この「ジコゼロ大作戦」の取り組みの1つとして、スマートポールの実証実験を実施している。

具体的には、出会い頭事故の危険がある信号無し交差点にスマートポールを設置し、検知した情報をLED表示板に表示、注意喚起を行った。ITS Connect無線機は、緊急車両からの情報を受信し、LED表示板に「緊急車両接近」メッセージやアイコンを表示する。



姫路市での実験では、見通しが悪く事故の多い細街路の信号無し交差点に、スマートポールを設置した。スマートポールのITS Connect無線機からバスの運転士に、自転車・歩行者の飛び出し情報を通知している。さらに、自転車にもITS Connect無線機を設置し、バスに直接自転車飛び出し情報が通知される実証実験も同時に行った。この通知により、バスが事前に緩やかに減速することで、接触事故とバス車内の乗客転倒事故を未然に防ぐ効果が確認している。

塩尻市では、見通しの悪いT字路を舞台とした自動運転車とスマートポールの実証実験を実施した。移動する車・自転車・歩行者の通行状況(物標情報)をリアルタイムに確認できるか実証している。今後、一般道での自動走行のODD(運行設計領域)拡大に向け、スマートポールからの情報活用について、更に検討・実証を継続するという。

なお、ITS Connect推進協議会は、交通事故の削減に向けた交通環境整備に貢献していく社会的基盤のひとつとして、より良いシステム構築と普及を目指すという。さらに、業種や企業の垣根を超えたオールジャパンの取り組みを続けると述べている。

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