ニュース

自動運転車は安全に右折が可能か 神戸市で自動運転・路車間通信の実証開始

2020/3/18(水)

自動運転車両の写真

写真: 名古屋大学 (日本総研のプレスリリースより)

株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)が主催する、まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムは、3月16日から25日まで神戸市北区筑紫が丘において自動運転車両を用いた路車間通信の実証実験を実施すると発表した。今回の実証は、条件の異なる交差点(十字路とT字路)において自動運転車両が右折するケースで行う。右折の際に対向車線の通過車両や歩行者等の情報を道路側のセンサーによって取得し、自動運転車両が状況に応じた安全な挙動をとれるかなどを検証する。
まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムは、2018年に日本総研が設立。持続可能なラスト&ファーストマイルの移動サービスの事業化を目指し、産学官民が連携した取り組みを進めている。今回行う実証には、日本総研のほか、株式会社IHI、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、沖電気工業株式会社、国立大学法人名古屋大学、一般財団法人日本自動車研究所が参加。同コンソーシアムが取り組む「住宅地での移動サービス向けの運行設計領域(ODD)」の一環として、自動運転車両を用いた路車間通信を検証する。
※運行設計領域(ODD: Operational Design Domain)
自動運転システムが正常に作動する前提となる設計上の走行環境に係る特有の条件のこと。
ODDに含まれる走行環境条件としては、例えば次のものが挙げられる。
 ・道路条件(高速道路、一般道、車線数、車線の有無 、自動運転車の専用道路 等)
 ・地理条件(都市部、山間部、ジオフェンスの設定 等)
 ・環境条件(天候、夜間制限 等)
 ・その他の条件(速度制限、信号情報等のインフラ協調の要否 、特定された経路のみに限定すること、保安要員の乗車要否等)
【参照】日本総研プレスリリース

今回の実証実験の目的は、自動運転車両が交差点で右折・合流する際、死角からの飛び出しなどに備えたり、発進・停止や加減速のタイミングを最適化させたりするための、車載センサーと道路側センサーの協調による仕組みの検証だ。具体的な項目としては、(1)自動運転車両の死角領域を含めた道路側センサーのセンシング状況や精度の評価、(2)他の車両に不快感を与えない安全で円滑な自動運転車両の挙動のあり方の検証が挙がっている。また、これらの評価を条件の異なる複数の交差点で実施することにより、交差点の違いによるリスクの違いも可視化するとしている。

■実施概要

実施地区
神戸市北区筑紫が丘、広陵町、小倉台および桜森町

実施場所
優先道路と非優先道路による交差点(十字路2カ所、T字路1カ所の計3カ所)

実施期間
2020年3月16日(月)~3月25日(水)

実施主体
まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム

実証車両
自動運転車両(ヤマハ製ゴルフカーをベース車体として,名古屋大学が自動運転システムを開発)。車載センサーおよび道路側センサーから取得した交差点付近の交通参加者の移動情報に基づき、発停車、加減速を判断する。運転席および助手席には名古屋大学関係者が座り、万一の事態に備える。

通過車両
手動運転車両(名古屋大学関係者が運転)
(A)自動運転車両が交差点を右折する際、対向車線を通過する。
(B)非優先道路を走行する自動運転車両が優先道路である対角車線に合流する際、対角車線を通過する。
 
一般車両、歩行者等
今回の実証実験では特に用意しない。ただし、一般車両および歩行者等についても道路側センサーおよび車載センサーでは感知し、実証車両の挙動に反映させる。

道路側センサー
交差点付近の電柱あるいは信号柱に、レーザセンサー(LiDAR)を設置。レーザセンサーが取得した交差点付近の交通参加者情報は、通信機器を通じて実証車両に送信される。

車載センサー:上記写真を参照

■実施の目的/内容

【目的】
1. 通過車両に不快感を与えない実証車両の挙動(交差点通過タイミング)の検証
・通過車両の助手席被験者および実証車両の同乗者被験者、そして実証車両周辺の被験者にヒアリングを実施
2. 道路側センサーのセンシング精度の評価
・実際の車両速度/加速度と道路側センサーの計測値の誤差を比較検証
・道路側センサーによる実証車両の死角位置のセンシング状況の評価
3. 交差点の特性に応じたリスクの評価
・複数の交差点において、信号機、中央線・分離帯、歩道、側溝などの有無のほか、一方通行や坂道、バス通りなどの条件に応じて異なるリスクを評価

【内容】
(A)信号あり交差点(十字路)での右折
信号交差点において、実証車両の右折挙動を検証する。対向車線を直線走行してくる通過車両の有無に分けて実証を行う。実証車両は、車載センサーおよび道路側センサーからの取得情報を活用して通過車両や一般車両、歩行者等の有無を判断する。通過車両や一般車両、歩行者等が存在する場合は、それらの挙動(速度、加速度等)に応じて右折する。評価は、右折による交通流の妨害の程度によって判断する。
信号あり交差点(十字路)での右折

信号あり交差点(十字路)での右折
日本総研プレスリリースより


(B)信号なし交差点(十字路、T字路)での直進、右折
信号のない交差点(十字路およびT字路)において、実証車両の交差点通過挙動を検証する。優先道路側の対角車線を走行する通過車両の有無に分けて実証する。実証車両は車載センサーおよび道路側センサーから取得した情報から対角車線を走行する通過車両や一般車両、歩行者等の有無を判断する。優先道路側の対角車線を走行する通過車両や一般車両、歩行者等が存在する場合は、それらの挙動(速度、加速度等)に応じて加減速または停止を行う。評価は、交差点通過タイミングによる交通流の妨害の程度によって判断する。
信号なし十字路の右折と直進

信号なし十字路の右折と直進
日本総研プレスリリースより


信号なしT字路の右折

信号なしT字路の右折
日本総研プレスリリースより


1 2

ログイン

ページ上部へ戻る