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路面電車・バス運転士の8割超がITS導入に賛同 推進協議会が発表

2021/6/16(水)

ITS Connect推進協議会(以下、協議会)は6月14日、ひろしまサンドボックス「通信型ITSによる公共交通優先型スマートシティの構築事業」での実証実験・試乗会を行った。

協議会は、760MHzを使った通信型ITS「ITS Connectシステム」が、安全で利便性の高い高環境実現に有効、導入に賛同意見あり、との結果を発表した。

ITS ConnectとはV2X(Vehicle to Everything)の一つで、見通しが悪い交差点等においての運転を支援するシステムだ。道路に設置された路側インフラ設備との無線通信や、車両同士の通信によって得られる情報をドライバーに知らせることができる。

広島県では、2018年度から産業・地域課題の解決をテーマに新たなソリューションを創り出す実証実験の場として「ひろしまサンドボックス」事業を進めている。今回の「通信型ITSによる公共交通優先型スマートシティの構築事業(2018~2020年度)」は、交通課題解決に向けた活動として実施された。

広島市内を走る路面電車(4両)、路線バス(3両)、自動車(3台)に、ITS Connectシステム実験用車載機を搭載する。また市内交差点3カ所にITS Connectシステム路側機を設置し、渋滞・事故の削減に向けた検討・実証実験を行った。

主な実験内容は、「事故削減を目指した安全運転支援」および「利便性向上や渋滞緩和を目指した電停共有支援」だ。具体的には「信号機の色が変わるまでの残時間を路面電車、バス、自動車に伝える信号情報支援」や「路面電車・バスが運転支援情報を相互に通知」などを実施している。

いずれの実験でも、支援条件成立時は100%検知可能との発表があり、システムとしての成立性・実用性を検証した。2020年10月には、事故削減を目指した安全運転支援システムについて、公道での試乗会を行った。交差点での信号情報提供に関しては路面電車65%、路線バス50%の運転士が利便性に肯定的な意見が得られた。

また車両の接近・存在通知に関しては路面電車85%、路線バス90%の運転士が導入に賛同という結果を発表している。ベテラン運転士でも安全予測には限界があるため、ITS Connectのようなシステムの導入が、事故の減少にもつながると期待を寄せているという。

なお、協議会は交通事故の削減はもちろん、高齢者に優しい交通環境整備に貢献していく社会的基盤のひとつとして、より良いシステム構築と普及を目指す。今後も業種や企業の垣根を超えたオールジャパンの取り組みを続けると述べている。

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