ITS世界会議ドバイで開幕、日本、世界の技術で新たなモビリティ作る
2024/9/18(水)
第30回ITS(Intelligent Transport Systems、高度道路交通システム)世界会議が9月16日、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで開幕した。世界から集まる延べ約800人の専門家が発表をし、500の企業・団体が出展する。17日には日本の官民で出展するジャパンパビリオンのオープニングセレモニーも行われた。
ITS世界会議は欧州のITS推進組織、ERTICOとドバイ道路交通局(Road Transport Authority、RTA)により「Mobility Driven by ITS」をテーマとして9月20日まで5日間行われる。
ERTICO会長のAngelos Amditis氏は16日、世界会議の中東初開催、30回目の節目を祝うと共に「進め方は各地域で違ってもサステナビリティ―は世界共通の課題。互いに、学び、課題を解決して安全・安心でだれもがアクセス可能なモビリティをつくる」ことを出席者に呼びかけた。
日本政府代表として会議に出席した経済産業省 製造産業局 自動車課 モビリティDX室長 伊藤健氏は開幕式典でモビリティDX戦略、「ウラノス・エコシステム」、社会問題を解決するための自動運転など日本の取り組みについて会議で話し合えることに政府が大いに期待していると述べた。
ドバイに自動運転レーン、来年空飛ぶタクシー
16日に行われた報道向け会見では、RTA CEOのAhmad Mahboubu氏がドバイ市内で自動運転車専用ラインを拡充する構想について話した。また、ドバイ市内でe-VTOLによる「空飛ぶタクシー」事業をROAと協力して予定している、米ジョビー・アビエーション社の中東責任者、Tyler Trerotola氏は26年としていた市内でのサービス開始を25年12月までに早め、運賃は「Uberの高級サービス、Uber Blackと同程度から始める」意向を示した。
日本パビリオン「新しいITS世界を一歩ずつ」
17日に行われたジャパンパビリオンのオープニングセレモニーでは経産省 伊藤氏が、世界がDX、GXで競争する中で日本のプレゼンスを発揮するために、オールジャパンで支援する方針を述べ、「日本の技術の素晴らしさをいろいろな方に紹介していただきたい」と出展者を応援した。ジャパンパビリオンを主導する特定非営利活動法人ITS JAPANの山本圭司会長(トヨタ自動車シニア・フェロー)は、「DX、通信、AIをけん引役として交通がめまぐるしく変化する中で新しいITSの世界を作るため、みなさんと一緒に汗をかき一歩一歩進めていきたい」と決意を語り、記念のテープカットを行った。
ジャパンパビリオンにはITS JAPANをはじめとする約30の団体・企業が出展。また、ITS世界会議にはトヨタ自動車とグループ企業、ホンダ、パナソニック オートモーティブシステムズといった企業、官庁、大学などが出展、発表を行っている。