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岩根研究所 画像から作る3Dマップの可能性

2017/10/27(金)

株式会社岩根研究所 代表取締役 岩根和郎氏

自動運転の実現には必要不可欠な高精度3Dマップ。北海道に本社を構える株式会社岩根研究所は、ライダーを使用せず、360度の全周囲を捉えるカメラ2台から取得した映像だけで作る独自の移動計測装置で3Dマップを作成しています。国が認めた500分の1の精度を持ち、公共測量も行っているという、映像のみで作成された3Dマップについて株式会社岩根研究所 代表取締役 岩根和郎氏に話を伺いました。

――映像がそのまま3Dマップになるとお伺いしました。仕組みについて教えてください。

360度の水平方向のみでなく仰角俯角映像も持つことから、4πビデオ映像と呼んでいます。4πビデオ映像を画像処理して三次元情報を取得できる三次元化した映像がCV映像です。CV映像をデータベースに蓄積し、3次元空間情報基盤を作っています。

機材の特徴は360度、死角を作らない全天球カメラです。カメラをクルマの上部と後方へ2台取り付け、時速60~80キロメートルほどで自由走行しながら1秒間に15回シャッターを切っています。静止している画像を抽出して、1つの画像で200点くらいの三角形を作ります。解が複数出るので統計処理して最も正しい値を使います。全周映像を三次元画像解析し、地図を自動生成しています。

 

 

――精度はどれくらいでしょうか?

国土地理院に機材を持ち込み、実際に計測して精度を確認しています。誤差は15センチメートル程で、公共測量に使える精度でした。実際に国土地理院から依頼された公共測量もしています。画像から電線の長さを測ることも可能です。精度5センチメートル以内で測れます。

 

 

――自己位置について認識することはできるのでしょうか?

2次元だけどすべての座標がわかっている3次元地図なので、自己位置の認識は可能です。10~20年前は自動運転というと、障害物認識だけで、自己位置については誰も考えていませんでした。障害物の検出は別の技術であって、世界中から探して買えばいいのです。自分の位置を正確に捉えることは非常に重要です。

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