JAL、羽田・成田の2空港で同時に「自動運転レベル4」実用化を開始 手荷物搬送を完全無人化へ
2025/12/17(水)
日本航空株式会社(以下、JAL)は2025年12月15日、東京国際空港(羽田)および成田国際空港の2空港において、自動運転レベル4(特定条件下での完全無人運転)に対応したトーイングトラクターの実用化を開始した。国内の主要2空港で同時にレベル4の実用化を行うのは、これが国内初の取り組みとな
る。JALはこれまで、国土交通省が進める「航空イノベーション」の一環として、空港制限区域内(ランプエリア)での自動運転技術の検証を続けてきた。
これまでは運転者が常時監視を行い、必要に応じて危険回避操作を行う「レベル3」相当での運用を重ねてきたが、技術的な安全性が確認されたことから、運転者を必要としない完全無人運転(レベル4)への移行を決定した。
今回導入されたのは、手荷物や貨物のコンテナを牽引して搬送するトーイングトラクターだ。多くの航空機や特殊車両、地上作業員が混在する複雑な環境下において、無人で走行し搬送業務を行う。
車両は空港ごとの特性に合わせて選定されており、羽田空港ではAiRO製の車両、成田空港では「TractEasy」が導入されている。また、これらは電動車両(EV)であるため、CO2排出量の削減にも寄与する。
航空業界では、生産年齢人口の減少に伴うグランドハンドリング業務の人手不足が深刻な課題となっている。JALは今回のレベル4実用化により、搬送業務の省人化と効率化を加速させる狙い。
今後は、導入台数の増加や走行エリアの拡大を順次進めるとともに、羽田・成田以外の空港への普及も目指す。さらに、リモコン式航空機牽引機や自動機体洗浄機など、他の先端技術と組み合わせることで、持続可能で高品質な空港オペレーションの構築を推進していくとしている。








