モビリティショー400社100万人予定、日野CJPT復帰 自工会会見
2023/9/22(金)
一般社団法人日本自動車工業会(以下、自工会)は9月21日、記者会見を行い、豊田章男会長(トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長)が、10月26日に開幕する「ジャパンモビリティショー」について400社超の参加、100万人以上の来場を見込んでいることなどを明らかにした。
また、豊田会長は、物流分野の課題解決とカーボンニュートラルを図る商用車の連合会社Commercial Japan Partnership株式会社に日野自動車株式会社が復帰することを自工会として承認したとも明らかにした。
また、豊田会長は、物流分野の課題解決とカーボンニュートラルを図る商用車の連合会社Commercial Japan Partnership株式会社に日野自動車株式会社が復帰することを自工会として承認したとも明らかにした。
豊田会長ショーへの思い「改革を進化」
豊田会長は会見の冒頭、「東京モーターショー」を発展させたジャパンモビリティショー開催に向けて自身の思いを語った。まず、自工会の2期目の会長に就任した2018年5月当時に、19年の開催を控えていたモーターショー改革を任期最初の課題として取り組んだことから説明。
当時を自動車業界がCASE革命により百年に一度といわれる大変革期に突入した時期で、「次の100年もクルマはモビリティ社会の主役でいられるのか」の課題に業界が直面したと定義。その課題を象徴するのが、91年で202万人の来場者が17年には77万人に減ったモーターショーだったと思うと振り返った。
「人が集まるモーターショーにチャレンジしよう」を唯一の目標として取り組み、さまざまな新企画を採用した結果、19年開催のモーターショーでは「130万人に来場いただき、多くの笑顔をいただくことができた」とまとめた。
その上で、23年10月開催のジャパンモビリティショーでは過去最多となる400社以上が参加すると明らかにした。「コロナ危機を乗り越えた今、モーターショー改革をさらに一歩進める決意を込めて本年から『ジャパンモビリティショー』に進化させてまいります」とした。
過去最多の参加社「未来を作り、日本を元気に」
モビリティショーでは、参加社のうち約100社をスタートアップ企業が占める。豊田会長はスタートアップと、歴史をもつ企業のマッチングで新しいビジネスの機会提供を考えていると話した。カーボンニュートラルや自動運転など多くの要素がかかわるモビリティの未来は、自動車業界だけでなくユーザーとみんなで作っていくものとし、「いろんな業界の方に参加していただき、自動車を軸にして一緒に未来をつくっていこう、日本を元気にしようという思いを込めている」とした。
また、ショーは「乗りたい未来を、探しにいこう!」をテーマとし、「モビリティが実現する未来やまちを体験できる『Tokyo Future Tour』など楽しい企画を予定している」と強調。出展する未来のモビリティなど関連情報をこれから続々と発信していくとした。
豊田会長は「自工会としても会長・副会長を中心に全力で盛り上げ、100万人を超える方にご来場いただきたいと思っております。私自身、時間が許す限り会場に足を運び、『笑顔とありがとうの連鎖を作りたい』と考えております」と結んだ。
物流24年問題、会員一致の解決策を提言
豊田会長の発言後の質疑応答では、日野自動車のCJPT復帰などについて自工会幹部が答えた。CJPT復帰に関して豊田会長は「自工会の理事会で物流・商用領域の協調の重要性について議論する中で日野のCJPT復帰の話も出た。日野が信頼回復に真摯に取り組んでいること、世間の評価を鑑み、カーボンニュートラルや物流課題の解決に向けて日野の力も必要だということになり、理事会全員の賛同が得られた」と報告した。日野は、認証試験不正に関連して22年8月にCJPTから除名されていた。
自工会会員の物流・商用領域の協調については、大型商用車メーカー4社が一致団結して競争力向上に取り組む。
片山正則副会長(いすゞ自動車株式会社 代表取締役会長CEO)は「4社が24年問題の解決に一つの思いで動いている。社会全体が持続的な対策をとることでしか解決できず、ワンボイスで関係者に発信をしている」とした。
高速道路での自動運転の実証や速度規制に関する安全面の対策、燃料電池トラック関連のインフラ仕様や設置など4社統一の見解を省庁に対して提示する。また、普通免許で運転できるトラックを増やしていく動きもしているとした。
仲間と共にモビリティ産業へ
佐藤恒治副会長(トヨタ自動車社長)は、日本の自動車産業の競争力を向上させる取り組みと、日本政府に期待する役割について問われ、回答した。国際競争について「自由貿易主義から少しブロック経済的な流れが顕在化している。海外企業の躍進もめざましい。その中で日本の自動車産業の競争力を維持するためにモビリティ産業としての進化発展、社会全体がGX、DXに動く流れの中に自動車をひも付けることが重要」とした。政府への期待としては、競争力を生むための国内に対する投資環境の整備が非常に重要な要素とした。
「規制や外部圧力によって自動車の未来を作るのでなく、生み出したい未来は何なのか多くの仲間と考えて進むことが競争力を維持する原動力となる」とした。