自工会1月に片山新会長へ 物流2024年問題を解決、商用車メーカー初
2023/11/22(水)
日本自動車工業会(自工会)は11月22日、片山正則副会長(いすゞ自動車代表取締役会長CEO)が1月に会長に昇格すると発表した。豊田章男会長(トヨタ自動車代表取締役会長)は退任する。片山新会長をはじめとする正副会長7名体制の自工会は「物流2024年問題」や、自工会が挙げる「7つの課題」解決に力を注ぐ。商用車メーカーから自工会会長に就任するのは初。
自工会は22日、東京・芝大門の自動車会館で記者会見を行った。豊田会長は「今、2024年問題をはじめ、物流・商用車領域が大きなテーマになっている。この領域は運行管理やエネルギーマネジメントなど、未来に向けてみんなが協力すべきテーマ、納期を明確にしやすいという特性がある」と説明。「課題と納期が明確になれば解決のための行動につながり、カーボンニュートラルに向けた乗用車・二輪車の将来の取り組みにもつながる。喫緊の課題である物流・商用領域に全員で取り組むことが未来への重要な一歩になるとの認識の下、大型車の世界で豊富な経験を持ついすゞの片山さんに、次期会長をお願いしたいということになった」とした。
豊田氏は自工会の役職を退任する一方、日本経済団体連合会(経団連)のモビリティ委員会委員長の職を続けるという。また、「自動車業界の元気につながるような活動ができればいいかなと思っている」とした。
片山新会長は就任のあいさつで、まず「2018年からの5年間、さかのぼると12年から14年の2年間、強力なリーダーシップで業界を引っ張った会長に深くお礼を申し上げる」と豊田会長に感謝した。
その上で、自動車業界が直面している課題は多岐にわたるとの認識を示し、「特にここ2、3年で注力する課題を7つにまとめた結果、2024年問題に代表されるドライバー不足、物流効率化や運行管理など協調すべき課題が多い商業車領域が当面のペースメーカーになるべきとの議論になり、今回の新体制となった」と説明。
片山新会長は「これらの課題に果敢に立ち向かい、業界をさらに発展させ、社会貢献していく」とし、マルチパスウェイによる地球環境保護の強化、研究開発への投資増なども、課題として挙げた。
物流・商用領域の取り組みについては、「2024年問題は非常に多岐にわたる対策が必要になり、ドライバーさん不足など大きな問題がこれから起こってくる」とした。その上で具体的な取り組みを3つ挙げた。
課題の1つ目は物流の効率化。物流のデータや、作業指示書といった帳票類のデジタル化・標準化・共有を進める。2つ目は自動運転の推進で、国によるRoAD to the L4、高速道路での商用車自動運転などに積極的に参画する、3つ目に女性が働きやすい環境作りなどドライバーの層を広げるための取り組みを挙げた。