JR東日本、三菱電機の次世代インバータ装置を山手線E235系電車に搭載
2025/10/8(水)
東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)と三菱電機は9月25日、三菱電機で開発を進めている小型軽量化・省エネ化を目的とした次世代車両駆動用インバータ装置※1(以下、次世代VVVFインバータ装置)を山手線で使用しているE235系電車1編成に2台を2026年2月頃まで試験的に搭載すると発表した。
同装置は、機器の小型軽量化を図りつつ、駆動エネルギーの削減(省エネ化)を目的として開発されたものだ。具体的には、SiC素子の半導体チップ構造とパッケージ構造を最適化した最新のSiC素子を採用することで、素子単体でのスイッチングロス※2を約60%低減し、省エネ化を実現した。また、より効率的な構成として高集積化を図ることで装置を小型軽量化することが可能となり、従来機器に比べ、約60%の体積低減、約50%の質量低減を実現している。
また、今回の小型軽量化技術は、異なる車両駆動システムを使用している車両(交流車両、ハイブリッド車両、蓄電池駆動車)などにも応用できるという。特にハイブリッド車両などは客室スペースにも機器が搭載されているため、それらの機器を空いた床下スペースに搭載することで、客室スペースの拡大や座席数増加なども実現とのことだ。なお、JR東日本は、2026年2月(予定)まで、山手線E235系電車に搭載し、制御状態およびメンテナンス性の確認等を行うと述べている。
※1車両駆動用インバータ装置:電車のモータを効率よく動かすための装置
※2スイッチングロス:素子動作時に失われる電力(プレスリリースより)
※2スイッチングロス:素子動作時に失われる電力(プレスリリースより)
- 次世代VVVFインバータ装置
- 配置場所