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JR東・日立・トヨタ、水素で走るハイブリッド鉄道車両を開発。2022年に首都圏で実証めざす

2020/10/7(水)

「HYBARI」外観イメージ

「HYBARI」外観イメージ

東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)、株式会社日立製作所、トヨタ自動車株式会社は、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載した試験車両を連携して開発することに合意した。2022年に首都圏での実証実験をめざす。
JR東日本は鉄道車両の設計・製造の技術、日立はJR東日本と共同で開発した鉄道用ハイブリッド駆動システムの技術、そしてトヨタは燃料電池自動車 MIRAIや燃料電池バス SORAの開発で培った燃料電池の技術を有している。

今回の車両開発では自動車で実用化されている燃料電池を鉄道へ応用する。3社がそれぞれ持つ鉄道技術と自動車技術を融合し、自動車より大きな鉄道車両を駆動させるための高出力な制御が可能なハイブリッド車両(燃料電池)試験車両の開発をめざす。

3社の連携イメージ

3社の連携イメージ


今回用いる燃料電池ハイブリッドシステムは、燃料電池装置の開発はトヨタが、ハイブリッド駆動システムの開発は日立が担当する。

水素タンクに充填された水素を燃料電池装置へ供給し、空気中の酸素との化学反応により発電させる。主回路用の蓄電池は燃料電池装置からの電力とブレーキ時の回生電力を充電する。ハイブリッド駆動システムは燃料電池装置と主回路用蓄電池の両方からの電力を主電動機に供給し、車輪を動かす制御を行う仕組みだ。

画像左:ハイブリッド車両(燃料電池)試験車両の構成
画像右:燃料電池ハイブリッドシステムの仕組み
ハイブリッド車両の愛称は「HYBARI」(ひばり/HYdrogen-HYBrid Advanced Rail vehicle for Innovation)。「変革を起こす水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両」をイメージした名称に決まった。HYには水素(HYdrogen)の意味とともに、HYBでハイブリッド(HYBrid)が意味を込められている。

実証試験の開始時期は2022年3月頃を予定しており、試験区間は鶴見線・南武線尻手支線・南武線(尻手~武蔵中原)を想定している。実施にあたっては神奈川県、横浜市、川崎市の協力を得て、環境整備をしていく方針だ。



[記事中に掲載した画像はすべてトヨタ グローバルニュースルームより]

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