【JR東日本グループ】新たな沿線開発構想を発表 中央線・京葉線エリアで推進
2020/12/10(木)
JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「変革2027」で掲げる「くらしづくり」の実現に向け、“沿線の個性を引き出す”「沿線くらしづくり構想」を中央線エリアと京葉線エリアで推進する。
沿線地域とその暮らしとつながり、世代を超えてくらしやすい新たな生活空間を創造することで、沿線人口の拡大とJRE POINTを基礎とした生活圏の拡大を目指していく。
沿線くらしづくり構想では、地域のくらしとつながるサービスを沿線へ拡大することを掲げる。具体的には、駅・駅ビル・高架下空間におけるサービスの相乗効果を図りながら、JR東日本グループの共通基盤であるSuica・JRE POINTを活用し、多様なサービスをつなぐMaaSや物流、駅のフロントサービスを展開する方針だ。沿線地域とその暮らしとつながり、世代を超えてくらしやすい新たな生活空間を創造することで、沿線人口の拡大とJRE POINTを基礎とした生活圏の拡大を目指していく。
■具体的な施策
(1)オンライン問診を活用したスマート健康ステーション(中央線エリア) 処方箋がなくても一部の医療用医薬品を購入できる薬局が、西国分寺駅にエキナカ初出店。With・Afterコロナ時代にあわせて、事前にWEBでのオンライン問診や混雑の見える化を行うことで購入時間の短縮や来店時間の分散を実現する。健康や薬について気軽に相談できる窓口としての役割も担い、将来的には交通拠点である駅に、健康になるためのプラットフォームとしての機能を備える狙いだ。(2)海浜幕張エリアを中心としたさまざまな技術をつなぐ駅・まちづくり(京葉線エリア) 実証実験を行っている先端技術について、継続的に実用化する取り組みを行う。例えばロボットなどの活用によりスムーズな食の提供ができる飲食店舗展開を目指す。また、シェアサイクルなどのモビリティ拠点整備により、街の回遊性向上につなげていく。
(3)グループの輸送ネットワークを活用したエリア間連携(中央線・京葉線エリア) 山梨エリアで収穫された果物・野菜類や房総エリアで獲れた魚介類などを、在来線特急も活用しつつ、八王子、海浜幕張などの駅に運び、販売する。あわせてJRE POINT会員限定で、現地で収穫体験ができるオリジナル企画などを実施する予定だ。
(4)地域コミュニティをつなぐシェアリングや多様なビジネスの場を創出(中央線・京葉線エリア) 駅・高架下などでのシェアワーキングスペースやシェアキッチンといったシェアリングスペースの設置を通じて、地域コミュニティをつなぎ、地域ビジネスが生まれる場を作り出すとともに、生まれたビジネスを多様な形態で実現できる場を生み出す。
(5)駅改札などでの展示商品の販売や、オンライン注文商品の受け渡し(中央線・京葉線エリア) 駅改札などで、鉄道の案内だけでなく、駅で展示されている商品の販売・受け渡しといった新たなサービスを一部開始する。また、JRE MALL内の「ネットでエキナカ」にてオンライン注文商品を、駅改札などで受け取れるようになるほか、周辺住民への宅配など、顧客にとって最適な形で提供する。
(6)環境ベンチャーとの協業による環境改善への取組み(中央線・京葉線エリア) 2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に向けて、水素燃料を用いたFCVのモビリティ連携など、環境・エネルギー分野に関わるベンチャーキャピタルとの協業・実証実験を行い、持続可能な循環型地域社会に向けた課題解決に取り組む。
このほか、Suica・JRE POINTを活用したセキュリティサービス(例:見守りサービス)や地域におけるモビリティサービスとの連携、沿線の地域環境向上に向けた地元大学などと連携した体験型教育の場の提供、レンタル・荷物預かりサービス、店舗・カフェ・スマートホテルのチェックインサービスなど、サービスを広げていく予定だ。
また、沿線のショッピングセンター事業の運営から沿線くらしづくりへと変革すべく、中央線エリアでは株式会社JR中央ラインモールとJR東京西駅ビル開発株式会社を合併し、株式会社JR中央線コミュニティデザインを設立する。京葉線エリアでは株式会社千葉ステーションビルが、同構想の推進を担当する。
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