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市街地用無人移動システムに求められる技術と可能性 LIGARE ビジネスセミナー

2017/11/16(木)

先進モビリティ株式会社 代表取締役社長 青木 啓二 氏

2016年11 月25 日、グランフロント大阪にてLIGARE ビジネスセミナーを開催しました。今回は「自動運転の今を知る」というテーマで、6 人の講師の方にご登壇いただき、自動運転は国内外でどこまで進んでいるのか、どんな技術が必要なのか、自動運転時代にはどんなモビリティサービスが必要なのかなどについてご講演いただきました。

2016年3月、ソフトバンクが自動運転に参入しました。その技術を支えているのが先進モビリティ株式会社です。

完全自動運転を実用化しようと研究を進める同社。必要な技術とは何なのでしょうか。

[LIGARE vol.31 (2017.1.31発行) より記事を再構成]


先進モビリティという会社

先進モビリティは、自動運転を専門とするベンチャーです。現在、主にトラックとバスの自動化のための技術開発に取り組んでいます。トラックに関しては、先頭車にドライバーが乗り、後続車は無人で隊列走行するための技術開発を行っています。バスに関しては、ソフトバンクから出資を受け、基本的な自動運転の研究開発を行っています。

 

無人移動システムの3つの形

現在、主に公道で無人の移動システムを実現するための要件として、人を輸送するシステムには次の3つの形態があると考えています。

 

市街地無人移動システムの3つの利用システムの形



1つは共同利用システムというもので、1つの無人運転のクルマを個人が所有して運転するのではなく、共同利用するという形です。特徴は、比較的小さいエリアで、個人がオンデマンドで要求すると自宅から目的地まで乗ることができ、そのクルマを乗り捨てできるというのがコンセプトです。

従来から、このような社会実験は行われていますが、最大の課題は、目的地で乗り捨てられたクルマの最適な配分が難しいということです。ここで無人運転システムが導入できれば、非常に使いやすくなります。何処かにあるクルマをオンデマンドで呼べばまた使えます。これにより全体の配分が最適化されます。

2つ目は、乗合型短距離巡回システムとわれわれが呼んでいるものです。主要な駅などの交通結節点と、団地や住宅地などを巡回するバスです。路線バスのような大型のものではなく、ゴルフカートに近いものをイメージしたものです。道交法の問題もありますので、最終的に無人化を目指すにあたり速度制限は30km/h、できれば20km/h以下の走行が実現に近いと考えています。

実はこれはすでに欧州で実現化されています。Navyaという会社のもので、定員10人ほどのクルマで、乗客は自分の目的地を押すとそこまで走ってくれます。ただし、公道走行は不可能で、あくまで施設内を走るものです。これに類似したものは日本でも走っています。

 

フランスのNavyaの自動運転車ARMA



3つ目はコミュニティバスや路線バスといったものです。基本的には、現在運行されている乗合の路線バスを自動運転化したもので、事業者から見れば人件費削減につながります。主にわれわれが開発しているのは、このコミュニティバスの無人運転システムです。

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