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地域の「目」で子どもと高齢者を見守る 伊丹市×阪神電気鉄道「まちなかミマモルメ」

2017/11/16(木)

2016年1月、伊丹市の街に1台のビーコン受信機付きカメラが付きました。このカメラは子どもや高齢者を見守る地域住民の「目」です。日本一安全・安心な町を掲げる兵庫県伊丹市で運用が開始された位置情報サービス「まちなかミマモルメ」は、子どもや徘徊の恐れがある認知症高齢者を見守ります。


[LIGARE vol.31 (2017.1.31発行) より記事を再構成]


町全体で子どもや高齢者を見守る

ミマモルメは阪神電気鉄道株式会社(以下、阪神電気鉄道)が2011年4月にスタートした登下校管理サービスです。ICタグをランドセルに入れた子供が校門を通過すると、保護者に通過情報が配信されます。現在、全国で900校もの小・中・高校で導入され、約17万2千人が利用しています。

他にも、保育園や幼稚園での登降園管理にも利用されています。最近では、富山県氷見市の小学校や東京都港区の学童など自治会単位で導入する都道府県も増えています。

 

左:発信機(ビーコンタグ)
右:町中に設置されているカメラとビーコン受信機



このミマモルメを発展させたものが「まちなかミマモルメ」です。町中に設置されたカメラにビーコン受信器をつけ、さらに子どもに発信機(ビーコンタグ)を持たせることで、登下校時以外でも子どもの位置情報を確認することができます。

 

左図:「まちなかミマモルメ」の見守り活動イメージ
右図:アプリで子供や高齢者の通過履歴を確認することができる



「まちなかミマモルメ」は子どもだけではなく、認知症で徘徊の恐れがある高齢者も対象としています。また、位置情報サービスの他に、子どもや高齢者が迷子になった時は、ミマモルメアプリから捜索の協力要請をすることが可能です。捜索依頼が出されると、あらかじめミマモルメアプリをインストールしているボランティアの地域住民に「協力要請あり」と通知されます。

「協力要請開始」を選択すると、ボランティアの携帯端末がビーコン受信器としての機能を果たします。捜索対象者とボランティアがすれ違うと、時刻と位置情報が自動的に捜索依頼者のミマモルメアプリに送信される仕組みです。

同アプリは2016年11月末時点で844人が導入済み(伊丹市全体の7.8%)です。導入件数は、2017年4月に控える新1年生の入学をきっかけにさらに増える見込みです。

 

3月末までに1000台の見守りカメラが設置される予定

現在、繁華街などの防犯対策として警視庁が設置している街頭防犯カメラの他に、商業施設やマンション、個人で設置されている防犯カメラの台数は全国で300台以上あるといわれています。個人の肖像権やプライバシーを保護するための明確な法律がないため、伊丹市ではデータの保存期間や画像の公開・複製に関する取扱いを条例で厳格に規定しています。

平成26年から平成27年の間に地域懇談会や地元説明会の機会を設け、設置の可否や場所について地域住民の意見を集約してきました。伊丹市 安全・安心施策推進班 副主幹の中西慎二氏は(以下、中西氏)「各自治会を回って市民の意見を伺うと、つけて欲しいという声が多かった」とカメラの設置について、賛成が多数だったと語ります。

同市内の安全・安心見守りカメラは現在、約800台設置されています。2017年の3月末までに1000台が設置される予定です。「街頭犯罪の件数は2016年9月の時点で20%減少(前年比)しています。カメラの抑止効果が働いていると思います」(中西氏)。今後については、ビーコン受信機を単体で増やしていくことも視野に入れ、あらゆる道・公園・公共施設、スーパーなどに設置していく予定ということです。

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