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無人自動走行サービス実現にむけた取り組み LIGARE ビジネスセミナー

2017/11/15(水)


実証によるニーズ・社会受容性の検証

ある地域で、住民と交通事業者と実証実験を行いました。人口約6000人、世帯数は約2000人、65歳以上が約40%、60歳以上が約50%の地域で、5年後には半分が高齢世帯になっているという地域です。

自治会は、高齢者対策と地域の交流を深めること、そしてパトロール強化や防犯カメラ設置などの防犯などの取り組みを行っており、付加価値を生み出せるような土地です。最初に無人自動走行サービスを必要としており、喫緊に行うべきはこのような場所ではないのかと思っています。

 

実証実験の実施体制。
地域事業者が地域自動走行研究会を立ち上げている。


まずは有人の移動サービスで、コミュニティ内にあったら乗るのかというニーズの確認を行い、それが自動走行、無人走行になった場合に乗るのかどうかの社会受容性を検証しました。また、付加価値となるコンテンツはどういうものかということもポイントです。

 

i-MiEVとLIKE-t3の走行ルート。
i-MiEVは定ルート走行、Like-T3はデマンドでの走行。


有人走行によるニーズの確認では、2つの車両(i-MiEVとLike-T3)を使用しました。i-MiEVはまちの中で定ルートをバスのように移動します。Like-T3は三輪で4人まで乗れる車両で、呼び出すことができ、目的地まで乗ることができます。限定エリアで、2車両とも住民が乗れるような低速での走行により行いました。

 

社会実証の結果

検証の結果、ニーズはあるという結論になったと思います。早くしてほしい、延長してほしいという声が聞こえ、最終的には登録者が100人まで増加しました。5年後には絶対必要だという65歳以上の方が非常に多くみられました。

自動走行になった際の社会受容性、受け入れ方という点では、ある程度想像も含まれますが、こういったものを欲しがる人が一部いて、声を掛け合って走らせていこうという動きがあれば増えていくと思います。

ポイントとして、無人走行は理解した後の口コミ力で増えていくのだと思います。実証においても、最終日に8人も登録者が出ています。また、女性が多くみられるのも特徴です。女性は帰り道に荷物が多かったり、有人と喫茶店に行くために乗り合わせたりと、用途がさまざまあります。

このように、自動走行は誰もいない無機質なもので乗りにくいというイメージがある一方、近距離で(タクシーなどを)呼び出すのが嫌なので、無人のほうが楽で受け入れやすいという声もあります。

 

これからの動向について

国としての動向も、このような方向に合致してきていると思っています。

 

自動走行に対する国の動向


限定地域での無人移動走行サービスは、2020年にはサービスとして立ち上げるとされています。オリンピックの年に、オリンピック村などで自動走行を走らせるというのが政府の考え方となっています。

 

バス事業者の問題意識


交通事業者としても、運転手がいなくなるというのが大きな課題であり、交通が破綻するという危機感が強くあります。まずは限定空間などで、最低限の技術で早く始めることが重要になっていくでしょう。
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