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物流コンソーシアムbaton、企業横断型の中継輸送実証を開始 長時間運転の課題解決へ

2025/11/25(火)

西濃運輸や福山通運など11法人が参画する物流コンソーシアムbatonは、国内初となる複数の特別積合せ(特積)事業者による「企業横断型中継輸送」の実証運行を2026年2月より開始すると発表した。トラックはそのままに、中継拠点で他社のドライバーに交替する方式で、長距離・長時間運転の課題解決を目指す。

物流業界では、「2024年問題」に代表されるドライバーの労働時間規制強化や、慢性的な人手不足への対応が喫緊の課題となっている。この課題解決に向け、企業や業界の垣根を越えて連携することを目的に、2024年11月に物流コンソーシア-ムbatonが発足した。

batonが解決策の一つとして着目したのが「企業横断型中継輸送」だ。長距離輸送において、出発地のドライバーが中間地点までトラックを運転し、そこで待機していた別の企業のドライバーに交替。復路の荷物を積んだ別のトラックに乗り換えて出発地に戻る、といった運行を可能にする。これにより、ドライバーは日帰り運行が可能となり、長時間労働の是正につながる。

batonは、この社会実装に向け、国内初となる複数の物流事業者にまたがる運行データの収集・分析を実施。約13,000便のデータを分析し、中継輸送によって効率化が見込める幹線ルートを選定した。

また、異なる企業のドライバーが同じ車両を運転するため、事故発生時の責任分界点などを定めた「リスク負担ガイドライン」を策定。さらに、各社で異なる伝票の扱いや荷役方法といったオペレーションの標準化に向けた調整も進めてきた。

これらの準備を経て、2026年2月から2ヶ月間、実際の中継輸送実証を開始する。今回は、西濃運輸と福山通運の2社間、および名鉄NX運輸とトナミ運輸の2社間で、それぞれ2つのルート(藤沢・厚木-堺、東大阪-葛西を予定)で実施。策定したガイドラインやルールに基づき、実際の運行でどのような課題が発生するかを検証する。

batonは今後、この実証で得られた知見をもとに、対象路線の拡大や、中継輸送用の共通データベース、マッチングアルゴリズムの開発などを検討し、本格的な社会実装を目指すとしている。

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