【物流MaaS】三菱ロジスネクストら、IoT活用による荷役作業を可視化
2023/4/17(月)
三菱ロジスネクスト株式会社(以下、三菱ロジスネクスト)ら3社は、各種センサなどを用いたトラック積卸しを中心とした荷役作業の可視化の取り組みで一定の成果を得た。4月13日付のプレスリリースで明かしている。
労働人口減少や物流の2024年問題対応などによりトラックドライバー不足が深刻化している。そのような中、自主荷役と呼ばれるドライバーによる積卸し作業の改善と、その為に必要な荷主現場における荷役作業の実態把握の重要性が高まっている。また、荷役作業の実態把握は将来の商用車の自動運転・自動荷役の実現に向けた類型化・標準化推進においても必要不可欠だ。三菱ロジスネクスト、株式会社島津製作所、株式会社NTTデータの3社は、2022年8月より経済産業省が実施する令和4年度「物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証事業」実施団体だ。今回の取り組みでは、3社でトラック・フォークリフト・ドライバーに装着した各種デバイスより得られたデータの収集・分析し、「ドライバーの負荷状況」や「貨物の積載状況」を可視化し、運行品質改善への道筋を検証している。実施期間は、2022年8月~2023年3月だ。
具体的には、架装事業者の協力を得て、ウイング車・テールゲートリフター(TGL)車の駆動源である油圧ユニットをIoTユニット(島津製作所製)に積み替え、実際の集配作業における挙動データの収集。ウイング車からの積卸しに使用するフォークリフトに各種センサを装着、荷重情報や挙動データも取得している。さらに、ドライバーの協力を得て、ウエアラブル端末を装着、行動センシングによる作業識別モデルを構築を行った。
従来ドライバーの自主申告に依存していた荷役作業の可視化を通じて、さまざまな効果が見込まれる。具体的には、集配先と協同での作業環境改善やルート変更などのドライバー負荷軽減、過積載の防止、車両の突発故障の未然防止による円滑な集配業務の実現などだ。また、将来的に積荷情報とのデータ連携が進めば、着荷主側での作業効率改善やマッチングによる積載効率の向上につながるという。
なお、3社は、今回の実証により得られた知見を生かし、今後可視化の深耕とトラックデータとの連携を進め、一日も早い社会実装に向けて取り組みを加速していくと述べている。
(出典:三菱ロジスネクスト Webサイトより)