左から経済産業省自動車課 田中佑典氏、東日本旅客鉄道株式会社・JR東日本研究開発センター フロンティアサービス研究所
情報デザイングループ研究員 日高洋祐氏、国立大学法人群馬大学 次世代モビリティ社会実装研究センター副センター長 小木津武樹氏、
株式会社未来シェア代表取締役 松舘渉氏、フィンランド大使館商務部上席商務官 Senior Advisor 田中浩一氏
1月26日に立命館大学東京キャンパスにて行われたLIGAREビジネスセミナー。後半では「MaaS×自動運転の未来」のテーマから、経済産業省自動車課の田中佑典氏が問題提起を行い、その後、セミナー登壇者4名(国立大学法人群馬大学 次世代モビリティ社会実装研究センター副センター長 小木津武樹氏、株式会社未来シェア代表取締役 松舘渉氏、フィンランド大使館商務部上席商務官 Senior Advisor 田中浩一氏、東日本旅客鉄道株式会社・JR東日本研究開発センター フロンティアサービス研究所 情報デザイングループ研究員 日高洋祐氏)がディスカッションを行った。
クルマはサービスを提供するインターフェース
冒頭で経済産業省自動車課の田中佑典氏が「MaaS×自動運転の未来」のテーマに見える問題提起を行った。クルマがコネクテッド化することで、クルマのサービスは生活者の暮らしや経験といった観点から考えられるようになり、クルマの価値自体が大きく変化する。また、メーカーや販売店がユーザーへのサービスインタフェースをクルマの販売後も継続的に持つようになる。さらに自動運転になると、事業者がクルマを所有しモビリティサービスを提供することで、クルマ自体がユーザーにサービスを提供するインターフェースになる。
経済産業省自動車課の田中佑典氏
公共交通は移動の提供+αが求められる
田中氏は、経済産業省の自動車課でも自動車業界を席巻するMaaSへの動きを捉えていると説明した上で、「公共交通が高度化すると鉄道やバスなど、ただ移動を提供するだけではマネタイズが難しい」と指摘した。「モビリティサービスを提供しながら、非移動と移動を関連づけることが重要」とし、たとえば観光地で、無料でモビリティサービスを提供し、観光中にお金を使ってもらうことで地域の活性化に繋いでいくようなビジネスモデルの構築が必要だと述べた。
地域に合ったモビリティサービスを提供するプラットフォーマーが現れる
また、MaaS時代が到来した際に求められるサービスについても触れた。大都市は既存交通があり、クルマも駐車場も十分にある。一方で渋滞の課題が存在するため、公共交通機関同士をうまく連携させ、さらに、クルマやドライバーを有効利用するようなカーシェア、ライドシェア、駐車場シェアが必要となる。地方都市については、定住人口が減少しており、観光地に移動するためのサービスがなくなる可能性がある。上手くかけ合わせたモビリティサービスを提供することが大切だという。物流では、無人配送も含めたサービスの高度化、基地の無人化、幹線をデータ連携して効率化していくことが必要となる。このように、地域や事業の特性を考慮することが重要になってくるという。前述のようなサービスを考えた場合、プラットフォーマーとなる新事業者が出てくると考えられ、既存のクルマや業種とは異なる新しい形が作られていく。田中氏は、「チャレンジにはリスクが伴うが、把握しながら、資金面の支援を考えていく必要がある」と前向きにMaaSの世界に踏み込んでいく必要があると話した。
■パネルディスカッション
LIGARE編集長 井上佳三
(以下、井上):MaaSオペレーターになり得るのは誰でしょう?
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