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タクシーの走行データから高精度三次元地図 マップフォーら5社が愛知で実証

2020/8/25(火)

株式会社マップフォー、名古屋鉄道株式会社、中日本航空株式会社、株式会社メイテツコム、名鉄タクシーホールディングス株式会社の5社は、名鉄タクシーホールディングスが所有するタクシー車両を活用して高精度三次元地図※1を作成する実証事業を実施すると発表した。
この実証事業は、愛知県内を実際に走行するタクシーの車両に搭載した三次元地図用計測機器からデータを収集し、高精度三次元地図の作成に取り組むもの。作成した高精度三次元地図データは自動運転への活用を見据える。実証は2020年10月から12月まで行う予定。

マップフォー1

実証事業のイメージ



ティアフォーグループであるマップフォー社の発表によると、高精度三次元地図の作成には、現在 MMS(モービルマッピングシステム)と呼ばれる三次元計測システムが用いられており、データ収集のために高価なセンサーを車両に搭載する必要があるという。そのため、データ収集においてコスト面が大きな課題で、運用できる車両台数に制約があった。

そこで同社は、安価なセンサーを用いて三次元地図を作成する名古屋大学の研究成果を活用したマップフォーの技術※2と中日本航空の測位精度の高度化を実現する技術を活用し、車両に後付けできる簡易的な計測機器により、従来のMMSと同精度の三次元地図作成ソフトウェアを開発した。

実証事業参加者と役割

マップフォー:小型データ計測機器を使用した三次元地図作成技術の開発
名古屋鉄道:名鉄グループの高精度三次元地図データ、自動運転技術活用戦略の策定
       タクシー車両の実地走行に必要な行政機関等との各種調整
中日本航空:小型データ計測機器開発、システムで作成された地図情報の精度評価
メイテツコム:クラウド上で三次元地図データを管理する基盤の開発
名鉄タクシーホールディングス:所有のタクシー車両提供(2台)、タクシー車両の実地走行に必要な行政機関等と各種調整

将来的な自動運転サービスへのほか、インフラ保守・点検においての活用も目指す。MMSで計測された基盤地図データと連携することで、自動運転社会の実現を支える新たな情報インフラの構築につなげたい考え。

※1 高精度三次元地図
レーザー光(LiDAR)、カメラ、人工衛星(GNSS)情報、慣性計測装置(IMU)などで構成される計測システムを用いて、道路の形状や車線情報、道路標識、横断歩道などさまざまな周辺環境情報を記録した三次元地図のこと。自動運転車は、この三次元地図情報と車載センサーが取得した情報を重ね合わせる事で安全な自動運転を行う事が可能となる。

※2 マップフォーが有する技術
高精度かつ高速での情報処理を可能とするSLAM(Simultaneous Localization and Mapping) と低価格GNSS/IMUを用いた複合航法システムを組み合わせた三次元地図作成ソフトウェア。


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