三菱重工ら、ドイツ・ハンブルグで石炭火力発電所跡地を活用した水素プロジェクトを発表
2021/1/27(水)
三菱重工、スウェーデンの総合エネルギー会社であるバッテンフォール社(Vattenfall)、オランダのグローバル石油会社であるシェル社(Royal Dutch Shell plc)、およびハンブルク熱供給公社の4社で構成するコンソーシアムは、水素プロジェクトの推進について合意した。ドイツ・ハンブルク港近郊にある閉鎖予定の石炭火力発電所跡地を活用し、再生可能エネルギー由来の電気を利用して水電解装置で水素を製造する、いわゆるグリーン水素を製造・供給・利用する事業の実現可能性を共同で検討する。三菱重工が22日付けで発表した。
今回活用するのはハンブルグ州モーアブルク(Moorburg)にある石炭火力発電所跡地だ。長年にわたりハンブルク電力会社(Hamburg Electricitäts-Werke)、2015年からはバッテンフォール社が石炭火力発電所を稼働してきた。しかし、ドイツの全国的な石炭火力発電所の廃止に向けた流れの中で、昨年12月から商業運転を停止している。建設する水素製造プラントは、2025年ごろに完成および運転開始の予定だ。建設地は既に380kVと110kVの送電網に接続されており、周辺港湾では海外の船舶が停泊する。船舶向けの水素・アンモニア燃料供給の需要を見込んでいる。
発電所跡地の活用には、クリーンエネルギーの中心地(グリーンエネルギーハブ)として発展させていく狙いもある。洋上風力などの再生可能エネルギー電源をベースに、将来的にどの程度のクリーンエネルギーを生産・供給できるかについても検討する予定だ。必要な水素の供給網整備や貯蔵能力などについてもさらなる検討を実施する。
パートナー4社は、今回のコンソーシアムを組むにあたりドイツ政府のほかハンブルク州政府などからの支援を受けることを期待している。また、エネルギーに関し、電力、熱、輸送といったそれぞれのセクターを連携させ、再生可能エネルギー電力を最大限生かしたうえで、エネルギーの需要と供給全体を最適化させるセクターカップリングについての検討も行う。
(出典:三菱重工 Webサイトより)