三菱重工ら、飲料倉庫への自動ピッキング導入に向けた共同実証開始
2022/11/24(木)
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)らは、飲料倉庫への自動ピッキングソリューション導入に関する共同実証を11月から開始する。11月21日付のプレスリリースで明かした。
同実証は、三菱重工、三菱重工グループの三菱ロジスネクスト株式会社、キリングループのキリンビバレッジ株式会社、ならびにキリングループロジスティクス株式会社の4社で実施する。同実証の目的は、三菱重工グループが開発した自動ピッキングソリューションを、物流オペレーターにとって負荷の高い荷役作業が求められる飲料倉庫へ導入することだ。三菱重工が横浜・本牧で運営するものづくりの共創空間「Yokohama Hardtech Hub(YHH)」内の実証施設「LogiQ X Lab(ロジックス・ラボ)」で、自動ピッキングシステムの運用プロセス確立、および検証などを行う。実証期間は、2023年6月末までの予定だ。
同ソリューションは、これまで作業者自身が効率化を考えながら行っていたピッキング作業を、三菱重工が研究開発を進める「ΣSynX(シグマシンクス)」によって自動化・知能化したものだ。独自開発の最適化エンジンや統合制御システムによって、複数のAGF(Automated Guided Forklift 無人フォークリフト)、AGV(Automated Guided Vehicle 無人搬送車)、パレタイザー※ を効率的に連携させて搬送・ピッキング回数を削減。さらに、ピッキング工程の最適化とスループット(処理能力)向上を実現する。
※ 飲料ケースなどの製品を自動で整列させてパレット上に積み付ける装置(プレスリリースより)
また、キリングループでは、工場の自動化を進めている一方で、倉庫の物流は有人フォークリフトや作業者による手作業が中心となっている。このため、物流オペレーター不足や重量物ピッキングへの対策といった労働環境の改善が課題となっている。同実証では、キリンビバレッジの倉庫オペレーション条件下で、AGF、AGV、パレタイザーを連動させるとともに、「ΣSynX」による最適化制御の検証を実施し、安全に配慮した倉庫物流現場の課題解決を目指す。なお、三菱重工グループは、同実証を通したキリングループとの連携により、飲料業界が抱えるさまざまな物流課題の解決に取り組んでいくと述べている。
(出典:三菱重工 Webサイトより)