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【柏の葉スマートシティ】三井不動産・センスウェイがオフィスのIoT化を開始

2021/3/1(月)

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SenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azure によるKOIL IoT統合管理システム

三井不動産株式会社(以下、三井不動産)およびセンスウェイ株式会社(以下、センスウェイ)は、千葉県の柏の葉スマートシティでIoTの普及・活用を目指す「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」においてスマートオフィス・ワーキンググループを設立し、その第一弾の取り組みを開始した。
このプロジェクトでは、安心・安全なオフィス空間の提供を目的に、柏の葉スマートシティのイノベーション創出拠点である「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」の執務空間内で、コワーキングオフィスの換気状況、在席状況、トイレの空き状況の可視化、および体温・マスク着用検知のシステム導入を行うもの。新型コロナウィルス感染拡大の現下においても、有用な取り組みだ。

プロジェクトにおいて三井不動産は、KOILでの実証実験環境の提供と現場での実現サポートを行い、センスウェイはセンサーとネットワークを組み合わせたIoTソリューションを提供する。

センスウェイが提供するのは、IoT通信プラットフォームサービス「SenseWay Mission Connect」で、Microsoft Azureを活用することで1台のIoTゲートウェイで複数フロアをカバーできる。センサーを通じて集めたさまざまなIoTデータを一つのクラウドサービス上で、一元的に管理、閲覧可能としたのが特徴だ。

■取り組みの概要

(1) オフィス換気状況の可視化

室内の二酸化炭素濃度を計測して濃度ごとに色別に表示し、適切な換気タイミングを可視化する。執務空間内に設置した複数の温度・湿度・二酸化炭素の計測センサーから集めたデータをSenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azureの連携によりクラウドへ集約し、データの可視化を行う。

可視化したデータをKOILの1階入口と6階KOILパークに設置されたデジタルサイネージへ表示し、リアルタイムで確認できるようにすることで、施設管理者による適切なタイミングでの換気の実施など、安全なオフィス環境の維持に活用することが可能になる。同時に、利用者が個室を利用する際の注意喚起にもつながる。

今後は、同画面をKOIL利用者が閲覧可能な会員限定サイトにて、パソコンやスマートフォン上でも閲覧できるアプリケーションの提供を行う予定。また、換気状況のデータを蓄積し、他のセンサーによる会議室の利用状況データと合わせることで、面積当たり上限人員数の設定や利用間隔の管理効率化による快適なオフィス空間の維持につなげることを目指す。

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執務空間内に設置した温度・湿度・二酸化炭素の計測センサー


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換気状況を可視化し、KOIL内のサイネージや会員専用ページで確認可能


なお、柏の葉IoTビジネス共創ラボでは、環境ワーキンググループにおいても、参画企業であるセンスウェイ・京葉ガスの協働プロジェクトとして、昨年5月から、柏の葉スマートシティの商業施設「柏の葉T-SITE」における温度・湿度・二酸化炭素の計測を行い、館内の換気状況可視化による空調管理ソリューションの実証実験を推進している。

(2) コワーキングオフィスにおける在席状況の可視化

コワーキングオフィスの座席利用状況や会議室の空き状況を、KOILの1階入り口と6階KOILパークに設置されたデジタルサイネージへ表示し、リアルタイムで確認できる。

デスク裏面に設置したセンスウェイ独自開発の人感センサーが座席の着席者の有無を検知し、集めたデータをSenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azureの連携によりクラウドへ集約し、データの可視化を行っている。

センスウェイ独自開発の人感センサーは、着席・離席の検知だけでなく「人がその場に居続けること」までセンシングできるのが特徴で、より精度の高いデータ集積が期待できるという。

施設管理者側においても、コワーキングオフィスの稼働率の高い座席やその時間・曜日や、予約された会議室の実際の稼働状況等も把握でき、将来的には座席の配置計画等への活用が可能となる。

今後は、同画面をKOIL利用者が閲覧可能な会員限定サイトにて、パソコンやスマートフォン上でも閲覧できるアプリケーションの提供を行うことで、利用者の混雑回避を実現する考えだ。

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座席利用状況が色別で表示され、混雑度・空き状況が確認可能


(3) トイレ空き状況の可視化

トイレ個室の空き状況を、KOILの1階入り口と6階KOILパークに設置されたデジタルサイネージへ表示し、リアルタイムで確認できる。トイレの個室ドアに設置した人感センサーがトイレの空きを認識し、データをSenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azureの連携によりクラウドへ集約し可視化を行う。

施設管理者向けの画面では、トイレの各個室の利用時間も把握できるため、効率的な清掃タイミングの調整、体調不良者の発見、長時間滞在者に対する対処につなげることができる。

今後、同画面をKOIL利用者が閲覧可能な会員限定サイトにて、パソコンやスマートフォン上でも閲覧できるアプリケーションの提供を行うことで、利用者が混雑を避けることができるよう利便性向上を図る。

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KOIL内のセンシングデータを表示するサイネージ


(4) サーモカメラによる入館者の体温・マスク着用検知

エッジAI技術を搭載したサーモカメラ「EG-Keeper」をKOIL入口に設置し、入館者の迅速な検温のほか、マスク着用の有無を判別する実証実験を実施する。
取り組みで採用しているサーモカメラは、超高速エッジ・コンピューティングによるAI機能を内蔵し、わずか0.3秒で体温を測定してディスプレイに表示する。また、カメラの測定精度は実際の皮膚表面の体温との誤差が±0.2℃に留まるなど非常に高性能であり、マスク着用の有無も同時に判断できる。なおこのカメラは、赤外線センサーとLED照明によって暗所でも使用可能であり、マスクやヘルメット着用時でも検温が可能だ。

設置する施設の特性によっては、マスク非着用の場合または高熱体温の場合のアラートなどによる発信も可能であるため、入場制限が必要な施設における無人対応での活用が期待できる。

今後は、柏の葉IoTビジネス共創ラボに参画する柏魚市場においても、従業員の検温・マスク着用確認の自動化と、収集データのクラウドへの送信により、従業員の健康管理につなげる取り組みも検討されている。

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KOIL入口に設置されたサーモカメラ


これらの取り組みは2020年9月より順次開始しており、今後は、今回の実証の結果も踏まえながら、柏の葉エリア所在または三井不動産運営の他物件への導入も検討していく予定だ。

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