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【不動産×MaaS】三井不動産、マンション住民向けに複数交通機関のサブスクサービスを検証

2020/12/17(木)

三井不動産株式会社は15日、「不動産×MaaS」の取り組みを始動させると発表した。同日に発表した「モビリティ構想」の一環で、すでに9月から実施している柏の葉エリアに加え、12月15日には日本橋エリアで実証実験を開始。さらに12月21日から豊洲エリアでも開始する予定だ。

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三井不動産が目指す「不動産×MaaS」は、不動産を起点とした近距離移動に焦点を当てたサービスを提供し、コミュニティにおける移動の利便性を高めるとともに、街の魅力的なコンテンツへの気づきと出会いをもたらすことを目指す。また、MaaSを不動産と組み合わせたサービスとして提供することで、立地に左右されない移動の利便性を提供する。

■三井不動産のMaaSの特徴

各地域で必要とされるMaaSは、地域ごとの特徴を踏まえたサービス提供が重要になる。三井不動産の目指す「不動産×MaaS」では、地域個別に最適なサービスパッケージを提供する。三井不動産のアセットを含む街の魅力コンテンツ(目的地)に向けて、個々人にとって最適な移動をMaaSによって実現する考えだ。

将来的には、住宅に加えて各地域にある商業施設、オフィスなどを含めてMaaSの提供を行い、それぞれのコミュニティ間をつないでいくことで、都市の活性化と付加価値向上を目指す。


実証実験ではフィンランドのMaaS global社が開発したアプリである「Whim」を導入。目的地までの検索・予約・決済、そして実際にモビリティに乗車するところまでをアプリ一つでシームレスに行うことが可能。使用可能なモビリティは現時点で最大4種(カーシェア・シェアサイクル・バス・タクシー)あり、ユーザーのニーズに応じて選択し、使用することができる。

これらモビリティを月額定額制(サブスクリプション)のサービスとして提供し、ユーザーは多様な交通サービスを横断的に利用することができる。また、各物件敷地内にはWhim会員専用のモビリティとして、カーシェアおよびシェアサイクルを設置する。これにより、個人が保有するモビリティと同様の感覚で利用することも可能にしている(設置可能な物件のみ)。

■MaaS実証実験の概要

実証実験は、柏の葉・日本橋・豊洲とそれぞれ特徴の異なるエリアで行い、各エリアで最適なMaaSの提供を目指す。柏の葉は「都市近郊型」、日本橋は「都心型」、そして豊洲は「準都心型」のモデル都市として位置付け、提供サービスに必要とされる要件の検討ならびに検証を進める。

【柏の葉】
実施期間:2020年9月12日から2021年1月31日(予定)

対象者:パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワーウエストの居住者

特徴:
サービス利用の促進・サポートを目的に、コミュニティマネジャーを配置。トラブルが発生した際のサポートや、柏の葉エリアの普段は行くことの少ない外出スポットや、実証実験参加者限定のキャンペーンを企画・開催し、サービスを通じた住民コミュニティの拡張を促す取り組みを行っている。参加者からは、MaaSの利用で「習い事の選択肢が広がる」「徒歩圏内からシェアサイクル、カーシェアで遠出するようになった」との声が寄せられているという。
※ コミュニティマネジャーの正式なサービス導入については今後検討予定​​​​​​​

【日本橋・豊洲】
実施期間:
日本橋エリア:2020年12月15日から2021年3月31日(予定)
豊洲エリア  :2020年12月21日から2021年3月31日(予定)

対象者:
日本橋エリア→パークアクシス東日本橋ステーションゲート、パークアクシス日本橋浜町レジデンス、パークアクシス日本橋茅場町、パークアクシス日本橋堀留町の居住者
豊洲エリア→パークアクシス豊洲キャナルの居住者

特徴:
商業施設連携施策として、実証実験参加者にコレド室町ならびにコレド日本橋の買物券や、駐車場無料券を配布する。また、柏の葉での実証実験から得たユーザーのフィードバックを踏まえ、東京都内の実証実験ではユーザーの使い方に高い自由度を持たせたサブスクリプションプランを導入する方針だ。



■MaaS Global社との提携

三井不動産は、2019年4月に、世界初の本格的なMaaSのプラットフォーム「Whim(ウィム)」を展開するMaaS Global社(本社:ヘルシンキ、CEO Sampo Hietanen、以下MG社)と街づくりにおけるMaaSの実用化に向けた協業について契約を締結し、それに伴いMG社への出資を行っている。

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