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三井不動産の「モビリティ構想」が始動 MaaSで不動産業の新たな価値創出めざす

2020/12/17(木)

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図1:ボーダレス化への対応
図2: 不動産をサービスとして利用(Real Estate as a Service)

三井不動産株式会社は、ヒト・モノ・サービスの「移動」に着目したモビリティ領域への取り組みを開始すると15日に発表した。同社は長期経営方針「VISION 2025」において「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を目指すことを重要施策として掲げている。MaaS領域の取り組み拡大によって、新たな価値創出を目指す方針だ。

三井不動産は前述の経営方針に加え、 新型コロナウイルスの拡大を機に、働き方や暮らし方の多様化・ライフスタイルの変化が加速した点と、生活の中でデジタルサービス活用の重要性が増している点を指摘。これらの背景から、下記のようなモビリティ領域における価値創出に向けて取り組む。

(1)アセット:ボーダレス化への対応
「仕事」や「暮らし」「買い物」などの選択肢が多様化し、例えばワーケーションのように、従来のオフィスや住宅、商業施設が提供する機能だけでは十分にカバーできないさまざまなニーズが生じている。これらのニーズにモビリティを活用することで、多様なアセットを組み合わせて使い分けるための効率的な移動サポートや、不動産の枠組みを超えた可動型の柔軟なサービスの提供が可能になる、としている(上図1参照)。

(2)街づくり:街の魅力コンテンツの発見・アクセスの向上
新型コロナウイルス拡大の影響もあり、日常生活やその延長線上にある自分の「お気に入り」の場所・スペースの重要性が再認識されている。例えば、カフェ・飲食店や、公園なども、いろいろな形態で利用されるようになった。モビリティサービスの導入によって、これらのコンテンツへのアクセスが容易になり、コンテンツ自体がモビリティに搭載されて移動することも可能になる。そのほか、駐車場をこれらのモビリティサービスの拠点として活用することも想定している。

(3)体験価値:不動産をサービスとして利用(Real Estate as Service)
不動産とモビリティサービスが結びつくことで、「自らが移動する」「コンテンツが移動する」という2つの選択肢が生まれ、目的に応じて多様な不動産コンテンツを選んで利用する生活が実現する、との考えを三井不動産は示している。新しいコンテンツとの出会いやこれまでにない機会を創出することで、日常生活において新しい体験価値が生み出され、街に豊かさと賑わいをもたらすことができるという。(上図2参照)

■モビリティ構想の具体的な取り組み

三井不動産は、MaaS・移動商業店舗の2つのプロジェクトを中心に「モビリティ構想」に取り組む方針だ。

[MaaS]
住宅・オフィス・商業施設・ホテルなどのユーザーに向けて、地域の交通機関と連携したMaaSアプリを提供し、移動の自由度・フレキシビリティを向上させる。すでに今年9月から、柏の葉・日本橋・豊洲地区のマンションを対象に、月額定額制(サブスクリプション)サービスの実証実験を開始している。


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[移動商業店舗]
飲食・物販・サービスなどさまざまな店舗を車両に乗せ、生活エリアに展開することで、新たなショッピング体験を提供する。第一弾として、今年9月から12月にかけて首都圏・近郊5カ所で10業種11店舗の事業者とともにトライアルイベントを実施した。今後はさらに出店場所や店舗を拡大する予定だ。


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[移動ホテルほか]
そのほかにも、都市近郊でのグランピングや非日常体験を求める声に応える移動可能なホテルなどのコンテンツ提供を検討している。

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